さらに、「同世代に興味を持たれそうだと思う住まい方や暮らし方は?」という問いには、「アドレスホッピング」や「デュアルライフ」といったあまり聞き慣れないキーワードが登場し、ミレニアル世代はさまざまな暮らし方に興味を持っていることが分かりました。

  • アドレスホッピング(固定の家に住まうことなく様々な場所に住む暮らし方)
    「興味ある」 親世代:10% ミレニアル世代:31%
  • ソーシャルアパートメント(キッチンやリビングなどを共用部分として利用し、各個室をそれぞれのプライベート空間として利用する住まい)
    「興味ある」 親世代:9% ミレニアル世代:29%
  • デュアルライフ(2つの地域に拠点をもった生活 ※都市と田舎、国内と海外など)
    「興味ある」 親世代:13% ミレニアル世代:22%
  • コーポラティブハウス(住宅を取得したい人が集まって組合を結成する仕組みにより、集合住宅でありながら自由設計が可能なマンション)
    「興味ある」 親世代:8% ミレニアル世代:20%

このように、「アドレスホッピング」はミレニアル世代の3人に1人が興味を抱いており、「土地や建物の価値」よりも「そこで何ができるか」を重視し、住まいを「モノ」ではなく「コト」として捉えている人が多いことが浮き彫りになりました。

また、ミレニアル世代は、「終の住み家」や「同じ場所に住み続けること」を必要としていない人が全体の4割前後も存在し、土地や家に縛られず自分らしく自由に生きたいと考える傾向にあることも分かりました。

今後は「ソーシャルアパートメント」や「コーポラクティブハウス」などへのニーズが高まり、デュアルライフを送る若者が増えるかもしれません。

そうなれば、親の「持ち家」はもはや「資産」ではなく、単なる「お荷物」となってしまう可能性があることも視野に、子供に残す目的で持ち家を考えることは避けた方が良いのかもしれません。

「持ち家」にこだわり、それが重荷となっている子育て世代は少なくありませんが、時代と共に暮らし方は変化していきます。親も子供も納得のいく住まいが得られるよう、マイホーム購入を検討する際は、今一度考えてみたいですね。

<参照>「「住まいと暮らし」に関する意識・実態調査

ライター。不動産会社に10年ほど在籍し、賃貸営業、賃貸事務、売買仲介、売買仲介事務、不動産管理営業、不動産管理事務など幅広く経験。現在も不動産会社で勤務しており、おもに賃貸仲介をメインで活動中。好きな言葉は、「根拠のない自信はおおいに結構。それを裏づける努力をするべし」。二児の母でもある。