『猫侍 南の島へ行く』に出演した猫のあなご

2013年、テレビシリーズと映画版の公開により、北村一輝扮する強面の侍、斑目久太郎と、一緒に暮らすことになった白猫の玉之丞のコンビは瞬く間に人々を魅了した。今年4月クールのドラマ『猫侍 SEASON2』を終え、ついにスクリーンで久太郎と玉之丞コンビが復活! 前作に引き続き、劇場版第2作『猫侍 南の島へ行く』でも玉之丞のアニマルトレーナーとして撮影に参加した、ZOO動物プロの北村まゆみさんに話を聞いた。

【写真】猫のあなご

前作では3匹、そして本作でも2匹(さくら、あなご)の白猫が玉之丞として登場するが、メインを務めるあなごは猫好きならずともついつい目頭が下がってしまう可愛らしさを持っており、まゆみさんも「美魔女なんです」と笑う。「猫というだけでも魔性のものがあるのに、あなごはとりわけ魔性の女ですよね」。その魔力に北村もイチコロに。1作目から、特にあなごが可愛いとデレデレだった。

「1作目のとき、白猫は珍しいので、監督からとりあえずうちにいる3匹とも連れてきて欲しいと言われたんです。あなごがメインになったのは、北村さんとの相性です。相思相愛というか、北村さんの気持ちが伝わっているんだと思います。猫は束縛されるのを嫌う動物ですから、北村さんの懐で大人しくしているあなごを見て驚く方も多いと思いますが、あなごにとって北村さんの懐は安心スポットになっているんです」。

1作目からメロメロだった北村は、あなごに会うと毎朝、頭の匂いを嗅いで愛を確かめ合っていたそうだが、まゆみさんが驚かされたエピソードを聞いてみた。「猫好きが観て絶対に関心するのは北村さんの猫っぷりですね。北村さんは猫が喉を鳴らすゴロゴロができるんです! 私も仕事柄、猫や犬の鳴き声はしょっちゅう出しますけど、ゴロゴロはできません。伝授していただきたくて、ご本人に訊ねたんですけど、『別に難しいことじゃないけど』くらいの感じでさらっとかわされてしまいました(笑)。あれはすごいですよ」。

「にゃ~」とまゆみさんの隣で答えるあなご。幾度となく、あなごは会話に参加しているかようなタイミングで鳴いていたのだが、トレーナーとして、まゆみさんが心掛けていることを知って頷けた気がした。「私はとにかく話をするんです。『今日はこういうシーンだからね、こうしないといけないよ』とか。台本の流れを伝えるんです。犬でも猫でも。すごい確率で伝わっている気がするんですよね。私は動物を信じてるんです。とはいっても、できないときも多々ありますよ。まぁ、そういうときは、『やりたくなかったのね』と解釈しています(笑)」。

『猫侍 南の島へ行く』
9月5日(土)全国ロードショー

取材・文・写真:望月ふみ