それは、「私たちは日常でどれくらいの嘘をついているのだろうか」というもの。

女性の皆さんも、日常的に嘘をついていますか?

同書で紹介されている調査では、対象者に記録用紙を持たせ、一週間の生活のなかで他者に対して嘘をついた時や、他者が嘘をついたと感じた時に記録を行いました。その結果、男性は1日あたり平均1.57回の、女性は1.96回の嘘をついている事が明らかになりました。

本音ばかりでは生活できないと思ってはいたものの、私たちは1日1回 以上の嘘をついていることが判明したのです。これは驚き。女性の生活の方が本音と建前があるのでしょうか、男性よりもその回数が多いという結果となりまし た。

ただ、この数字は自分で意識してついた嘘のカウントになりますので、無意識で発してしまった嘘などを含めると、実際にはこれ以上の数の嘘をついている のではと、同書では指摘しています。

また、他者が嘘をついたと感じた頻度は、1日あたり平均0.36回という結果も。自身が嘘をついたと認識している数に比べて、かなり他人の嘘については見抜けていないことがわかりました。

「このことから、われわれは他者の嘘に対して鈍感なまま、日常生活を送っていることが推測されます。以上のことから、嘘は日常的にわれわれの周りで生じている現象であり、われわれは多くの嘘を見破ることができずに生活しているといえるでしょう」『人狼ゲームで学ぶコミュニケーションの心理学』

日常的に嘘をついている私たち。また、その多くを見抜けていないのです。

「何だ、皆そうなのか」と安心しかけたところで、一つの疑問が浮かびました。

この調査対象者の方々、決して「嘘」はついてませんよね……。

【参考書籍】
『人狼ゲームで学ぶコミュニケーションの心理学』丹野宏昭、児玉健著(新曜社)