ほめられたい3つのタイプ

本書のもう一人の著者の原さんが提唱している「ほめ育」では、子どもはどんな風にほめてほしいかで、大きく3つのタイプに分かれるとしています。

これは、必ずしも固定されたタイプ分けではなく、同じ子どもでも成長過程の時期によって、タイプが変わることもあるのだとか。

以下、ほめ方の3タイプです。

  1. いつでもほめてほしいタイプ
  2. よく見てほめてほしいタイプ
  3. とりあえずほめてほしいタイプ

1.いつでもほめてほしいタイプ

安心・安全を求め、人から好かれたい欲求が強いのがこのタイプ(もしくは成長過程においてこの時期)です。

子どもだと、「ママ、一緒にやろう」と言ってきたり、自分のやっていることを見て欲しがったりします。

このタイプには、「大好きだよ」「えらいね~」といったシンプルな言葉がけが大事です。

また、このタイプの特徴は、自分の言ってほしい言葉を口にする傾向がありますから、子どもに「すごい?」と聞かれたら、そのまま「すごいね~」と返してあげましょう。それでその子は満足するのです。

2.よく見てほめてほしいタイプ

子どもの自我が育つ時、子どもはこの段階にいます。具体的にいうと、何かを始めた時、自分でやりたがったり、自分で段取りを決めたがったりします。

そんな時には、単に「えらいね」だけでなく、「何を」「どのように」できたのかを具体的に伝えながらほめてあげましょう。それによって、子どもは自己有用感、さらにはもっと挑戦したい欲が刺激され、より成長できます。

3.とりあえずほめてほしいタイプ

段取りや結果よりも今の気分を重視し、思い立ったらすぐやってみたいのがこのタイプです。

行動自体を楽しむのが特徴で、自分が重要な存在だということを認めてもらいたい傾向があるため、3つのタイプの中でもっともオーバー気味なほめ方が合っています。

コツは、子どもの感情にあわせた言葉がけをすること。子どもの気分が乗っていれば、ハイタッチをしたり、「ワーオ!」「ブラボー!」といったテンション高めの声がけで、子どもの自己重要感は満たされます。

反対に、子どもの気分が低下している時は、下手に言葉をかけず、黙って見守っていてあげてくださいね

ほめるところがみつからない意外な原因とは?

ところで、あなたは自分の子どもをすぐにほめられる方ですか? もしも子どもをほめるのが苦手というママがいたら、もしかしたら、その原因は意外なところにあるかもしれません。

本書の著者のひとりである「ほめ育」の提唱者・原さんは、「自分ほめ」が足りないと、子どもをほめることも難しいと書いています。どういうことでしょうか。

原さんが大事にしている心理学の言葉に、「人は自分を認める程度にしか、相手を認めることはできない」というものがあるそうです。言い換えると、親は自分をほめる程度にしか子どもをほめることはできない、ということになりますね。

大人になってからほめてもらうのはなかなか難しい場合もあります。思いがけず人からほめられても、とっさには受け入れられず、照れて否定してしまったり。

そこで、ひとりでもできる「自分ほめ」がおすすめです。本書にはいくつか「自分ほめ」のやり方が載っていますが、そのなかのひとつをご紹介しましょう。

寝る前に、1分、今日がんばったこと、自分をほめてあげたいことを3つ、思い出してみます。最初は1つでもかまいません。

まず自分が自分をほめてあげることで、少しずつ自分が満たされていくのを実感できると思います。おそらく変化は、子どもへの接し方そのものに現れてくるでしょう。

子どもにつらくあたってしまうな、と思ったらまず、自分ほめをしてあげてくださいね。

まとめ

ほめるというと、叱らないと思う人もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。原さんは、「叱ることもほめ方のひとつ」とまで言っています。たしかに、相手に関心がなく、愛情もないのであれば、叱るべき時に叱る必要もないわけですからね。

大切なことは、目の前の子どもをちゃんと受け止め、ジャンピングボードになるような言葉がけをしてあげることだと思います。

そのためにはまず、子どものほめられたいタイプを見極めることや、自分へのほめケアも忘れないことなど、ほめる前の土台作りが大事ですね。

さらに本書には、「家族ほめる会議」の提案など、さまざまなほめツールが紹介されています。気になる方は、ぜひお手に取ってみてくださいね。

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