<IFA2015レポート>モバイルやホームアプライアンスなど「スマート家電」をピックアップ

2015.9.9 19:6配信
「Xperia Z5」を発表するソニーの平井社長

今年のIFA2015の横串を刺すテーマは「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」だったといってもいいだろう。家庭内のテレビや冷蔵庫、エアコンなど白物家電がホームネットワークにつながり、それらをスマートフォン(スマホ)やタブレットで動かす。ちょっと未来の出来事のように聞こえるかもしれないが、IFAにはスマートな暮らしを現実のものにする現在形の商品が数多く並んだ。まずはコントロールセンターとなるスマホの新しい注目製品から振り返ってみよう。

●ソニーのフラグシップスマホ「Xperia Z5」がシリーズ3機種同時発表

ソニーは今年の夏に「Xperia Z4」を発売したばかりだから、IFAで「Zシリーズ」の新製品が出てくるわけがない。誰もが勝手に立てていた予測を良い意味で裏切って、ソニーはフラグシップスマホの「Xperia Z5」シリーズを発表した。しかも同じZでラインナップが3機種に展開するというサプライズ付きだ。

中核のモデルは約5.2インチのフルHD液晶を搭載する「Xperia Z5」。これに約4.6インチのHD液晶を搭載する「Xperia Z5 Compact」のほか、世界初の4Kディスプレイ採用の最上位機種「Xperia Z5 Premium」を10月から発売する予定だ。

前機種からの大きな変更点はカメラ部分。ユニットを新規に開発して、センサーの有効画素数が約20.7メガから約23メガにスペックアップした。オートフォーカスの合焦性能も約0.03秒に高速化した。デザインは「Z4」までの“オムニバランスデザイン”を踏襲しているが、背面につや消しの「フロストガラス」を採用し、見た目の高級感がアップ。指紋が付きにくいメリットもある。同じカメラ機能を搭載したまま、本体サイズを片手で操作しやすくした「Xperia Z5 Compact」も支持を集めそうだ。

今回の新製品3機種の中で、最もインパクトが大きかったモデルが「Xperia Z5 Premium」であることは間違いないだろう。4K表示対応のディスプレイを搭載したことで、4K動画撮影が可能なカメラで高精細な4K映像を撮り、単体で再生して楽しむことができる。画面のサイズは5.5インチ。

高級感を高めるため、本体のカラーリングは光沢処理を施した。そして忘れる事なかれ、3機種ともにハイレゾオーディオ対応のスマホで、ソニーのハイレゾ対応ノイズキャンリングイヤホンとの組み合わせで、より静かな環境の中で“いい音”を楽しむことができる。

●「Galaxy」だけじゃない、サムスンの新型スマートウォッチ「Gear S2」

8月にアメリカ・ニューヨークで新製品発表記者会見を行ったサムスン。発表したのはいずれも約5.7インチの大型ディスプレイを搭載する「Galaxy S6 edge+」と「Galaxy Note 5」だった。サムスンはここ数年、IFAのタイミングに合わせて新製品発表会を開催していたが、今年はさらに新製品の発表はないだろうと思っていたら、サークルタイプの1.2インチ有機ELを搭載するスマートウォッチ「Gear S2」をIFAで発表した。プラットフォームはTizenで、3Gネットワークに接続できるモデルも発売を予定している。

サムスンは新しい「Galaxy」、ならびに「Gear S2」をコントロールセンターとして、アプリで動かせる洗濯機やロボット掃除機などを発表。ブースのメインテーマも「IoT」を大きく掲げながら、既に多数の商品アイテムに展開するスマート家電の充実したラインナップを見せつけた。

なかでもプレスカンファレンスで発表した先鋭的な製品が「SleepSense」だ。ユーザーが寝ている間、ベッドのマットレスの下に敷いておけば、約97%の正確さで寝ているユーザーの心拍数・呼吸・動きをセンサーが感知して眠っている間のログデータを取得。スマホアプリで履歴を表示しながら、睡眠方法の改善による健康をユーザーに提供する。

この「SleepSense」を基点にサムスンのインターネットにつなげられるスマート家電と連携して、例えば寝ている間に部屋のエアコンの温度を快適な眠りが得られるよう自動で最適化したり、目覚ましタイマー代わりにテレビを付けたりといった具合に連携操作を行うことができる。

「SleepSense」が提供するスマートライフは未来のコンセプトではなく、商品として使い勝手を高めた状態でアメリカや韓国で一般コンシューマー向けに販売が始まっている。ヨーロッパへの導入時期は未定だ。

またサムスンのブースの一角には、大手自動車メーカーのフォルクスワーゲンやBMWが提供するモバイルアプリとの連携スタイルも提案。3G対応の「Gear S2」を活用した事例としてスマートウォッチからインターネット接続ができるマイカーの遠隔コンディションモニターや自分が車を駐めた場所までのナビゲーション表示などが可能になるというものだ。「Gear S2」の発売時期に合わせて展開が予定されているという。

●その他のスマート関連の新製品群

このほかにもIFA2015で注目を浴びたスマートなエレクトロニクス製品をまとめて紹介しよう。ファーウェイはIFAの開催期間にあわせて大規模な新製品発表会を開催。「Force Touch」感圧タッチ仕様のフラグシップスマホ「Mate S」を発表した。最大の特徴は液晶パネルに「Force Touch」を対応したこと。パネルを強く押し込むことで、撮影した写真のプレビュー状態から任意の箇所をズームインするなどのことができるようになる。液晶は約5.5インチのフルHD。内側カメラによるナチュラルなセルフィ写真の撮影も楽しめる。同社はまたAndroid Wearを搭載するスマートウォッチ「Huawei Watch」を展示。アメリカでの予約販売が開始されるなど、発売に向けた動きが具体的に見えてきた。

フィリップスはBluetoothでスマホにつながる男性用シェーバー「7000シリーズ」を発表した。特徴はアプリとの連携により、ヒゲを剃るたびにユーザーの肌の状態を学習して、最適な剃り心地をカスタマイズして保存ができる機能だ。ヨーロッパでは10月に299ユーロで発売されるが、今後は世界的に販売が見込まれている。

今年のIFAには例年よりも数多くのスマート家電が並び、IoTをキーワードにインターネットにつながる家電が人々の暮らしをより豊かなものに変えてくれる製品と、各メーカーが向かうであろう具体的な方向性が明確になってきた。ホームアプライアンスとAV機器が互いにコネクトして、コンシューマーの生活にどんな良い影響をもたらすのか、全ての来場者が広い視野から一望できる世界最大のエレクトロニクスショーがIFAである。

そのIFAを主催するメッセ・ベルリンが、来年4月20日から22日まで、中国の深セン市で姉妹イベントとなる「Consumer Electronics in China」を開催することも明らかになった。ヨーロッパの経済不調の中で成長を続けてきたIFAの成功体系が、中国を中心としたアジア経済の活性化にも恩恵をもたらすものになるのか。次の成長のための戦略に一歩踏み出したメッセ・ベルリンの活動に注目が集まるに違いない。

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