(写真左より)杉本健勇(浦和レッズ)、興梠慎三(同) (C)J.LEAGUE (写真左より)杉本健勇(浦和レッズ)、興梠慎三(同) (C)J.LEAGUE

前者か、後者か、それが問題だ。『明治安田生命J1リーグ』第5節・浦和レッズ×FC東京の話である。3月30日(土)・埼玉スタジアム2002のピッチに立つFC東京は3勝1分・勝点10でリーグ戦首位に立つ現在の姿を見せるのか、それとも2分12敗と14試合勝ちなしの鬼門であえぐ姿を露呈するのか。

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前節、名古屋グランパスとの全勝対決を制したFC東京は無敗をキープ。コンパクトな守備陣形で前線からプレッシャーをかけ、ボールを奪えば素早くシュートまで持ち込む。カウンターではない、長谷川健太流ファストブレイクで勝点を積み重ねているのだ。最終ラインから一気にディエゴ・オリヴェイラ&永井謙佑の2トップを走らせることもある。2列目の東慶悟がスルーパスを連発すれば、久保建英は独特のドリブルでリズムを変える。攻撃のバリエーションとともに4試合中3試合クリーンシートという堅守がベースになっているのも心強い。

だが、しかし、浦和と対峙したFC東京は状況が一変する。リーグ戦での直接対決は7勝7分20敗と圧倒されている。直近10試合でも2分8敗、埼玉スタジアムでのFC東京の勝利は2003年7月まで遡らなければならない。埼スタはまさに鬼門、FC東京イレブンにとっては名前を聞くのも嫌なスタジアムだろう。

ホームで迎え撃つ浦和としては、ここで首位を叩き、浮上のキッカケにしたいところ。松本山雅FC、セレッソ大阪を相手に連勝を飾った浦和だが、まだまだ本調子とは言えない。プレッシングからのショートカウンターを軸とするが、試合状況によっては引いて守って我慢を重ねてセットプレーから勝機を見出すしぶとさを見せている。ここまで4試合で3ゴール。フリーキックからのヘッドで1点、PKで2点。まだ流れの中でゴールを奪っていない。興梠慎三が前線で孤立し、満足にシュートを打てない展開に陥ることもある。そんな苦しい状況でも勝点7を手にするのだから、勝負強さは育ちつつある。

光明もある。興梠は2戦連続ゴールをマークし、新加入の杉本健勇がPKとは言え、古巣相手に今季初ゴールを獲得したのだ。PKを譲った興梠が「FWはPKでも決められると乗れるところがある」と言えば、決めた杉本も「今までで一番緊張したPKだったけれど、決められてよかった。一生思い出になるPKになった」とキッパリ。ひとつのゴールが状況を一変させることはしばしばある。またFW武藤雄樹とMF青木拓矢が戦線復帰するのも明るいニュースだ。

果たして、浦和が相性のよさを発揮して3連勝を飾るのか、FC東京が今季の勢いを得て鬼門を打破するのか。『明治安田J1』第5節・浦和×FC東京は3月30日(土)・埼スタにてキックオフ。チケット発売中。