左から霧矢大夢、蒼乃夕妃 左から霧矢大夢、蒼乃夕妃

宝塚歌劇月組『エドワード8世-王冠を賭けた恋-』/『Misty Station-霧の終着駅-』の東京公演が3月23日に開幕した。この公演は月組トップスター・霧矢大夢(きりや ひろむ)と蒼乃夕妃(あおの ゆき)の退団公演。初日前に行われた公開舞台稽古後には、ふたりが現在の心境を取材陣の前で語った。

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公演は、20世紀イギリスを舞台に、その気さくな人柄で国民に愛されながらもわずか1年で退位した実在の王の半生を描いたミュージカル『エドワード8世』と、列車の旅をモチーフにノスタルジックに繰り広げられるショー『Misty Station』の2本立て。エドワード8世と人妻であるアメリカ人女性ウォリスの“運命の恋”を描いた『エドワード8世』は、ドラマチックでありながらロマンチックすぎず軽妙さと洒脱さが立ち、知的かつ明るいキャラクターが似合う霧矢らしい作品に。一方で自ら王位を退くことを決め、その思いを国民にラジオで伝えるシーンなどは、宝塚という王国で頂点に立った霧矢が旅立つ姿ともオーバーラップし、サヨナラ公演にふさわしい1作だ。またショーの方も、ダンサーとしても歌手としても抜群の実力を持った霧矢の魅力、そして息のあった蒼乃とのコンビネーションが存分に味わえる内容になっている。

その霧矢は会見で「私たちふたりにとっては最後の公演ですが、最後だからどうこうではなく、今までどおり東京のお客様に喜んでいただける舞台をお届けしたいという気持ちです」と挨拶。蒼乃も「東京公演へ向けてのお稽古で、いつもとかわらず課題が見つかりました。最後まで成長できるように頑張りたい」と話した。今回の2作品については、霧矢は「男役が立っていて女役が寄り添って、というのが宝塚の伝統的な形かもしれませんが、どちらかといえば私たちは同じ立場に立ってやりあう、そういうペアだった。実際、今回の芝居のように蒼乃が私に意見を言うとかケンカをふっかけるということはありませんが(笑)、今回はその特徴が非常に良く表れていて面白い。最後に相応しい作品を用意して頂いたので、私たちの集大成と呼べるような公演にしたい」と話す。さらに18年在籍した宝塚という場所については「私は宝塚に1度目の受験で落ちて、2度目で入った。1年勉強し直す中で、ここで男役をやりたいという思いが膨らみました。それだけの思いを持って、そして自分の人生を捧げられるくらい情熱を傾けられる場所。千秋楽までその気持ちは変わらないので常に前進し続けたい」と熱く話していた。

公演は東京宝塚劇場にて、4月22日(日)まで。チケットは発売中。

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