2曲披露した後、会場への挨拶とともに、「今日は、今までとはちょっと雰囲気が違うと思いませんか? 今回はこれまでのどの公演よりも、皆さんが集中できる公演にしたいと思います。以前を振り返るような曲も歌ってみたいと思っています」と話したK.will。その言葉通り、今回の公演は、どの曲もアコースティックなアレンジがなされ、しっとりと落ち着いた雰囲気。さらに、これまでのライブでは聴く機会がなかった曲や、1stアルバム、2ndアルバムの収録曲など懐かしいバラードナンバーもラインナップされ、ひと味違ったライブとなった。

雰囲気は違っても、もちろん、爆笑トークは健在。今回も、トークのたびに思い切り会場を沸せた。“雨男ネタ”はもはや彼のトークの定番となっているが、公演数日前まで降り続いた、50年ぶりとも言われた大雨も一段落し、この日はスッキリと晴れわたった。

「いつも僕が来ると雨が降ってましたよね、でも、今日は天気が……♪」と満面の笑みで話し始めた彼だったが、ザワつく会場に不思議そうな表情。実は公演直前、会場周辺では、予報にはなかった雨がパラついていたのだった。これにはさすがにあ然としていたが、「降ったのか……仕方ないですね……」と苦笑い。

『チョンスロプケ ウェイレ』『花が咲く』などに続けて、「公演ではあまり歌ってこなかった曲を聴かせます」と披露したのは、「去って行った女性を恋しく思いながら、この場で木のように根を下ろし、君が戻ってくるまで待っているという愚直な “ダメ男”の歌」と紹介した『木(ナム)』。「部屋に引きこもっている小心者の“ダメ男”の歌」と紹介した『涙の池』など、曲紹介も独特。「皆さんの愛を渇望する歌手の“ダメ男”の歌」と紹介したのは、ファンへの思いを込めた本人の自作曲『君のそばに』。

やや自虐的なコメントで笑いを誘いつつも、歌い始めた途端、瞬時に曲に感情移入する姿に、会場全体が一気に彼の歌の世界に包み込まれ、力強くも優しく、伸びやかな歌声に酔いしれた。彼の歌はどの曲も、たとえそれが韓国語であっても、ひとつひとつの歌詞が真っすぐ心に届く感覚を覚える。

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