「ツール・ド・東北2015」は記録を競うのではなく、あくまで「楽しむ」ことを目的とした大会。信号での停止をはじめ、交通ルールを厳守して走行します。

参加者が多いため数十名ずつに分かれ、4分毎にウェーブスタート。参加者は減速や停止時などお互いに合図を出しあい、安全走行に努めている様子も見られます。

まずスタート地点である気仙沼プラザホテルを出発すると、すぐ目に飛び込んできたのが「復興屋台村 気仙沼横丁」。津波に寄って営業が困難となった飲食店などが、仮設店舗として集まっている場所です。まさに地元の方々が、一致団結して苦境を乗り越えようとしている取り組みなのでしょう。

その他にも、周辺にはプレハブで作られたさまざまなお店が点在。復興がまだまだ途上であることを思い知らされました。

さらに自転車を走らせて街中を抜けると、人の少ない山道が続きます。そんな中、目に飛び込んできたのは仮設住宅の看板でした。

今もなお自宅で暮らすことのできない人々はたくさんいます。さらに周囲には至るところに工事用の重機が。住宅再建や基盤整備、あるいは自然環境の復元などは、現在進行形で行われていることが分かるでしょう。完走した参加者からも、

「震災後、初めて東北に来たけど、もっと復興が進んでいると思っていました。」
「気仙沼出身なので、皆さんに今の気仙沼を知ってもらえるこのイベントはありがたいです。」

といったコメントがありました。

確かに震災当初と比べれば、復興は少しずつ進んでいます。しかしまだ、その爪痕は大きく残っているのです。「ツール・ド・東北」はただファンライドを楽しむだけでなく、こうした被災地の現状を知ることのできるイベント。東北にゆかりのある人はもちろん、そうでない人にとっても、コース上の景色から感じられるものは多かったことでしょう。

尚、大谷海岸に設けられたエイドステーションには、献花台が設けられていました。ここではケネディ駐日米国大使も献花されていましたが、その後、しばらく献花台を見つめながら思いを馳せているようでした。

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