4K時代の対応メモリカードとは?──求められる高速・大容量化

2015.9.18 17:23配信

デジタル家電市場で4K化が着々と進んでいる。8月の販売台数をみると、50型以上の液晶テレビのうち、実に48.8%が4K対応モデルだった。トップシェアのスマートフォン(スマホ)「iPhone」も、「iPhone 6s/6s Plus」から4K撮影に対応。さらに、デジタルカメラやデジタルビデオカメラも4K化が進み、4Kの存在感は日々大きくなっている。画像の解像度が高くなれば扱うデータ量が大きくなり、ストレージの対応も必要になってくる。そこで今回は、4K対応という視点からメモリカード市場をみてみよう。

●4K動画撮影には高速転送を実現したメモリカードが必須

以前、HD画質からフルHD画質へトレンドがシフトしたように、いまフルHD画質から4K画質へ緩やかにシフトしている。4K撮影可能なカメラが増え、最新モデルを購入すると4Kに対応していた、ということも多い。しかし、いざ4K撮影をしよう、と思った時に、気をつけなければならないのがメモリカードだ。これまで使っていたメモリカードをそのまま使おうとすると思わぬ落とし穴にはまることがあるからだ。

フルHDに比べ、4倍高精細な4K動画はデータ量が大きく、高速に転送・記録できるメモリカードが必要だ。馴染みのある「スピードクラス10」のメモリカードは最低転送速度が10MB/秒で、フルHDを撮影するには十分だが、4K動画を記録するには心許ない。動画は撮影中、常にデータを書き込み続けるので、転送が遅れればそこで撮影がストップしてしまう。

スピードクラス10よりも速いSDメモリカードの規格として「UHSスピードクラス」がある。UHSスピードクラス1(U1)はスピードクラス10と同等の10MB/秒だが、ワンランク上のU3は最低転送速度が30MB/秒。4K動画を安定して記録できる。

●4K化を進めるトランセンド、SD/microSDでも

トランセンドはこの4K対応のメモリカードのラインアップ拡充に今年、力を入れている。メモリカード(SD/microSD/メモリースティック/コンパクトフラッシュなどを含む)市場全体を見ると、2014年の年間シェアではサンディスクが、2015年の1~6月までの上半期累計ではアイ・オー・データ機器が販売数量シェア1位を獲得した。そんななか、この6、7、8月と3か月連続でメーカーシェア1位を取ったのがトランセンド。ちょうどいま、勢いに乗っているメーカーといえるだろう。

トランセンドは今年の1月にU3対応のSDXCカード「SDXCカード UHS-I U3」を発売した。容量は256GBと大容量だ。256GBというと容量が大きすぎると思うかもしれないが、4K動画はフルHDの4倍のデータ容量なので、大容量の方が安心だ。

例えば、32GBのメモリカードの場合、フルHD画質で撮影すると4時間以上撮影できるが、4K画質だとたったの58分程しか撮影できない。これだと子どもの入学・卒業式などのイベントではあっという間にメモリ容量がいっぱいになってしまう。256GBあれば8時間以上撮影が可能で、これなら一日イベントである運動会でもカード交換の必要はないだろう。

4月30日には4K対応のmicroSDHC/XCメモリカード「microSDXC/SDHCカード Class 10 UHS-I U3 633x(Ultimate)」を発売した。容量は32GBと64GBの2ラインアップだ。

U3に対応し、最大読込速度は95MB/秒、最大書込速度は85MB/秒を実現。これならスマートフォンに挿して4K動画を記録できる。また、耐衝撃性や、水深1mの環境で純水に30分浸しても問題ないIPX7相当の耐水性、-25~85℃の幅広い動作温度、EMC IEC61000-4-2に準拠した静電気に対する耐性を備え、ハードなシーンでも安心して使える。

さらにこの秋には、4K対応のCFast 2.0対応のメモリカード「CFX650」を発売する。CFast 2.0対応メモリカードは、見た目はコンパクトフラッシュと同じだが、インターフェースにシリアルATAを利用し、コンパクトフラッシュの約3倍の高速転送を実現した。

「CFX650」のデータ転送速度は、読込みが510MB/s、書込みが370MB/s。プロ向け4K動画撮影機器に適している。なお、CFast 2.0は形状こそコンパクトフラッシュに似ているが、インターフェースが異なるので、CFast 2.0に対応するプロ用のビデオカメラが必要だ。とはいえ、今後普及が進めばコンシューマー向けモデルもCFast 2.0に対応する可能性はあるだろう。

●コスパに優れるトランセンド、4K化がより身近に

4K対応のメモリカードは、もちろんサンディスクやレキサー、東芝などがすでに発売している。トランセンドはいわば、後発メーカーだ。しかし、後発だからこその良さがある。それがコストパフォーマンスだ。

例えば、8月の実売データでU3対応の32GBモデルの税別平均単価を比較したところ、サンディスクの「Extreme PLUS SDHC 32GB」が7200円、上位モデルの「Extreme Pro SDHC 32GB」が9400円だったのに対し、トランセンドの「SDHCメモリーカード 32GB」は4500円とほぼ半額だ。この購入しやすい価格設定は販売台数シェアを押し上げる一因になっている。

8月のUHS対応(U1/U3含む)SDメモリカード(micro系含む)の機種別ランキングでは、上位10位中、トランセンドの製品が5製品ランクインしている。メーカー別シェアではトランセンドが34.9%と1位だ。

さらに、トランセンドのマーケティング担当者は安定供給にも自信がある、という。トランセンドは台湾の自社工場で月産で約1000万枚のカードの生産が可能な製造ラインをもっている。「この製造ラインを常時稼働している。日本国内のメモリカードのマーケット規模は年間で約4000万~5000万枚。十分まかなうことができる。さらに空輸便を生かした物流ネットワークを構築し、安定して日本市場に届けることができる」と話す。

サンディスクなどの先行メーカーは最新の規格を採用した製品をいち早く生み出せる開発力、技術力がある。そういった点で、安心感をもつ人が多いだろう。ただ、普及させることを考えると価格も重要な要素になってくる。トランセンドの4K対応メモリカードは、価格を適正に設定することで、4K化への敷居を下げ、4K撮影をより身近なものにしてくれるはずだ。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

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