iPhone 6sとiPhone 6s Plus

ソフトバンク、au(KDDI)、NTTドコモ(ドコモ)がアップルの最新スマートフォン「iPhone 6s/6s Plus」の端末価格と割引額を発表した。端末価格がそれぞれ異なる上に、割引額もまちまち。独自のキャンペーンなども含めると結局どこが一番安いのかわかりにくい。そこでiPhone 6sの各キャリアの実質負担額を比較した。なお、詳細は比較表にまとめてあるのでそちらを確認して頂きたい。

●端末価格は16GBモデルはau、128GBモデルはドコモが安い

「iPhone 6s」は「iPhone 6」と同じ16GB、64GB、128GBの3モデル展開。当然容量に応じて価格は異なるが、キャリアによっても価格設定が異なる。端末価格は24か月(2年間)の分割払いに設定するユーザーが多いと思われるが、比較の際には月額の負担額ではなく、2年間の支払総額で比べてみるべきだろう。

「iPhone 6s」16GBの端末価格は、ソフトバンクは9万3600円、auは8万4240円、ドコモは9万3312円で、auがほかの2キャリアに比べて1万円近く安い。これを24か月の分割にした場合、月ごとの端末支払額はソフトバンクが3900円、auが3510円、ドコモが3888円になる。

続いてほかの容量モデルもチェックしよう。64GBモデルは、ソフトバンクが10万6560円(4440円/月)、auが9万7080円(4045円/月)、ドコモが9万9792円(4158円)。128GBモデルはソフトバンクが11万9520円(4980円/月)、auが10万9920円(4580円/月)、ドコモが9万9792円(4158円/月)。

16GBモデルはauが安く、ソフトバンク、ドコモはほぼ横並びだが、64GBモデルはau、ドコモが横並びで安く、128GBモデルはドコモが安かった。ドコモは、64GBモデルと128GBモデルの端末価格が9万9792円と同じで、大容量モデルを手に入れやすい。

●新規・MNP・機種変によって変わる割引額、最も割引額が高いのは……

端末料金だけ比較しても、実質の負担額を比較できない。3キャリアとも機種ごとに指定の金額を24か月間割り引くサービス「月月割(ソフトバンク)」「毎月割(au)」「月々サポート(ドコモ)」を実施しているからだ。

この割り引きが端末料金をわかりにくくしている要因でもあるのだが、ユーザーにとっては複雑だろうと割引額が大きい方が嬉しいものだ。

ソフトバンクは、端末の容量、新規/機種変更に変わりなく「月月割」の割引額は2835円だ。さらに、乗り換え(MNP)/新規でiPhone 6s/6s Plusを購入した人を対象に適用される「iPhone 6s 購入サポート/iPhone 6s Plus 購入サポート」を利用すると、24か月間、417円/月の割り引きを受けることができる。つまり、MNP/新規契約ユーザーは月月割と合わせて、3252円/月の割り引きを受けられる。

auの割り引きはシンプルで、MNP/新規が2840円/月、機種変更は2435円/月の割り引きを受けることができる。

対してドコモは複雑で、iPhoneの容量や、新規/機種変更によって異なる。一番割引額が高いのがMNPの場合で、16GBは3456円/月、64GBは3186円/月、128GBは2646円/月の割り引きを受けられる。一番容量が少なく、端末価格が低い16GBモデルの割引額が一番高いという結果になった。

新規/機種変更の割引額は同じで、16GBモデルが2808円/月、64GBが2538円/月、128GBが1998円/月と、やはり容量が少ない方が割引額が高い。

3キャリアの16GB、64GB、128GBの実質負担額を比べると、ドコモがMNPユーザーに対して刺激的な戦略を打ち出していることがわかる。特に、16GBモデルの実質負担額は432円/月とワンコインで手に入る。

ところが機種変更の場合、同じ16GBモデルでソフトバンクは1065円/月(総額2万5560円)、auは1075円/月(総額2万5800円)、ドコモは1080円/月(2万5920円)と、ソフトバンクが一番安く、次いでau、ドコモの順だった。

MNPユーザー獲得を狙うドコモ。現在iPhoneを最も販売しているキャリアはソフトバンクで、次いでau、ドコモの順だ。今回のドコモの戦略でどこまで食い込めるか注目したい。(BCNランキング・山下彰子)

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