◆CASE2 まなみさんの場合

ゴールデンボンバーがきっかけで、バンギャルになったまなみさん(仮名)。高校時代は部活が忙しく、ライブに行けなかったものの、浪人生になってライブやインストアイベントに通うように。

なお、受験直前にゴールデンボンバーの握手会へ行ったところ、鬼龍院さんから叱られた(?)というエピソードも。

大学生になると、さらにバンギャル活動は加速。もっとマイナーなインディーズバンドにもハマり、地方のライブにも遠征するようになりました。そんな彼女は今、介護職に就いているそうです。

「もともと両親含め、家族が全員福祉系の仕事をしていたこともあり、自分も福祉の分野の仕事につけたらと思って、大学は心理学部を選びました。

就活に手厚い大学だったので、相談員さんも沢山いて、そこに通って、自分の希望にそう職場を見繕ってもらったり。

最終的に、介護職か、医療器具や福祉用具を取り扱う会社に行きたいなと思って、そういうところに絞って受けました。10社も受けていないと思います」

就職してもバンギャル活動は続けたくて、会社選びでも「休みのとり方」を重視していたそうです。

バンギャル活動を「就職面接」に活かす方法

「入った会社が土日休みだったら、土日のライブだけ行こうと思っていたんです。でも、ライブに行きやすい環境の職場があれば、そっちを優先したいじゃないですか(笑)。だから、面接でも“この面接官だったら話しても大丈夫そう”って人には、“ライブが好きです”と言ってました。

それ以外の頭の固そうな面接官には、“ライブ”を“旅行”に置き換えて、“交通手段の手続きや、日程の組み方が得意”という長所として話していました。

地方転勤の多い会社を受けたときは、“この支店には旅行で行ったことがあります”とか話していたら、「あのへんのライブハウスに、たまに派手なセーラー服の女の子がすごくたくさん並んでるんだよね」なんて向こうから話してくれて、「それはライブだと思います」と会話が盛り上がったり(笑)。

そういう話がプラスになったかはわかりませんが、それで面接に落ちたことはなかったです」

そして、まなみさんが面接で趣味の話をするときに気をつけたのは、“好きだから”にプラスアルファをつけたこと。

「大学の相談員さんのアドバイスもあって、“ライブが好き”ってだけじゃなくて、ひとつ違う視点をくっつけることを意識していました。好きで突き詰めてたことが、会社にどう活きるかっていうのもアピールしなきゃいけないもんだろうなって思ってたので。

ライブ遠征をした先々で新しく人と出会ってそこで仲良くなって、その人の家に泊めてもらった話をしたりとか。そこで“コミュニケーション能力がありますよ”というアピールになったかも。いかに遠征をいい感じに言い換えるか、ですね(笑)。

個人的なアドバイスとしては、遠征のついでに、観光もしておくといいと思います。有名な観光地に行かなくても、その土地がどういうところなのか見ておとくと、面接で話のネタにもなると思います」

自分の経験をうまく活かして面接に挑み、最終的に高級有料老人ホームを経営する会社に就職しました。

就職後のほうが、ライブ本数が増えた理由

「職種としては介護職です。入居者の方をお風呂に入れたり、介助したり、排泄介助もあります。正社員なので、現場仕事と並行して事務仕事もあります。

今の会社を選んだ大きな理由のひとつなんですが、もし怪我や病気とかで介護職が難しくなったら、事務職のみの部署や、営業や人事にも異動ができるっていう形態で働いています。

介護は汚くてつらいだろうっていう先入観はあったんですけど、それも慣れだろうなと。

わりと私が楽天主義なのかもしれないんですけど、“なるようになる、とりあえず頑張ってしんどかったらやめよう”くらいにしか考えてませんでした。辞めたって、まだ若いし修正はきくだろうと。

周りの同級生やバンギャルの友達も、仕事辞めちゃう子も多いんで、それが悪いとは思わないです。同期の中にはメンタルや体力の問題で辞めた子も結構いるんですけどね。

配属先の人間関係もあると思いますし、合う合わないは人それぞれ。入社後のギャップは絶対にあるし、それを就活中に埋めるのは難しいじゃないですか。ギャップはあるもんだと思って入るのがいいと思います」

おっしゃるように、介護のお仕事って大変そうなイメージがありますが、バンギャル活動とどのように両立させているのでしょうか?

「介護職なのでシフト制で、夜勤もあります。夜勤はだいたい朝9〜10時に仕事が終わって、あとは1日フリーなので、そのまま新幹線に乗って地方のライブへ遠征することもあります。早番と遅番があって、早番は16時に終わるので、都内だったらそれからライブに行ったりしています。

どこの会社に行こうと、仕事は大変だと思います。いわゆる“3K”があるにはあるけど、それ覚悟で元々入ってるので。もはや慣れです。

私の場合は、特養(特別養護老人ホーム)ではなく、わりと1対1でケアができるような場所なので、ずっとしんどいということはないです。上の人の理解もあるので、お休みも取りやすいですし。なんでも、全部慣れかなと。身体的にはしんどいですけど、休みを有効的に使える職業だと思います。

最近は新幹線でライブに行くようになったりとか、“たとえ次の日が早番だろうが、最終の新幹線にさえ間に合えば、ライブには行ける!”と、時間をお金で買うスタイルになりましたね(苦笑)。

最近は、タイムテーブルを出してくれるイベントも増えたので、“出番に間に合うならライブに行こう!”と判断ができるので、ライブ本数が増えちゃいました(笑)」