左から、吹原幸太、久保田秀敏、水石亜飛夢  撮影:石阪大輔 左から、吹原幸太、久保田秀敏、水石亜飛夢  撮影:石阪大輔

ド派手で愉快でナンセンスで重厚、ときに切ない舞台を紡ぐ、劇団ポップンマッシュルームチキン野郎がハロウィンに放つのは悠久の時を生きる機械人間の物語──壊れかけながらも彼はなぜ、存在し続けるのか? 主演・ジャックに久保田秀敏、彼と深く関わる幸雄に水石亜飛夢。脚本・演出・出演を手がける劇団主宰の吹原幸太。鍵を握る3人が登場。

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「ずっと劇団の方々とお芝居をしたかったのでとてもうれしい。コメディタッチの作品なのでぶっとんだ演技をしたい」と意気込む久保田、「顔合わせで皆さんのお名前を聞いて、ぼくの亜飛夢という名が全然目立たなくてびっくりしました……独特の世界観の中で新しい自分を出せそうでうれしいです」と驚く水石。そんな彼らに「サファリパークに猫を放り込む気持ちでいます」と吹原。しかし「舞台が終わる頃にはチーターになっているはず!」と期待も寄せる。

久々の共演となるふたりだが「やっぱり、秀さんはかっこいいなあ、と思いました。追い付け追い越せで引っ張ってもらい、幸雄の成長を見せられるよう付いていきます」と真摯に語る水石に「なに言ってんの(笑)。亜飛夢こそすっかり大人びて、まだ十代なのに末恐ろしい……追い付かれないようケツ叩かれながらがんばります」と久保田が返す。一方、吹原も「久保田さんは主役として爆発する情と情報量を込めた演技をするはずです! 男同士で気持ち悪いんですが(笑)、手に手をとって片時も目を放せないジャックを創りたい。水石さんにはうんと汗をかいてもらいます。まだまだ若くて内にくすぶる熱があると思うので舞台の上で心の底から吠える、そんな演技を見せます」と断言。

ジャックが暮らすのは吸血鬼や狼男らが集うフリークス劇団──というわけでハロウィンだけに、観客の仮装も大歓迎! 「最近の渋谷の盛り上がりはまるで寺山修司の世界のようです。その街にある劇場で、とてつもない大人の本気の文化祭を贈ります。見終わったあと、世界が変わって見えるくらい楽しませます」と吹原。水石も「全力で振り切る姿を届けます!」と決意を見せ、久保田も「この仕事は実はなくてもいいもので、でもだからこそ、やる意味を考えて大切に演じます。うんと感情を動かしてほしい、いや、僕らが動かしてみせます」と語った。

そんな、心弾む舞台は10月28日(水)から11月3日(火・祝)まで東京・CBGKシブゲキ!!にて上演。チケット発売中。

取材・文:おーちようこ