東芝の炊飯器60年の実績、小容量「備長炭かまど本羽釜」で実食!

2015.9.28 11:20配信
内釜に「備長炭かまど本羽釜」を採用した2.5合炊き小容量タイプの「IHジャー炊飯器 RC-4ZWJ」(右)と「RC-4ZPJ」(中央がグランホワイト、左がグランブラウン)

東芝が1955年に日本初の自動式電気釜を世に送り出してから60年が経った。今年1月に集大成として発売した5.5合炊きの「真空圧力IHジャー炊飯器 RC-10ZWH」と「10ZPH」に続き、今年11月中旬から小容量2.5合炊きの「IHジャー炊飯器 RC-4ZPJ」、2016年1月上旬から「RC-4ZWJ」を発売する。小容量タイプでも、炊飯の理想とされる「かまど炊き」のおいしさを追求したというこのモデル、実際にご飯を炊いて食べてみた。

発売以来、売れ行きが好調な5.5合炊きの「RC-10ZWH」は、BCNランキングで既報(<家電の美>うまさの秘密は「羽釜」の空間に、東芝の高級炊飯器の「意地」)した通り、昔ながらのかまど炊きで使われている羽釜にならった形の内釜「備長炭かまど本羽釜」が大きな特徴だ。小容量タイプでも、そのコンセプトは受け継がれている。

●「大火力」と「熱対流」でも吹きこぼれないのはなぜ?

東芝が考える、おいしくご飯を炊く要素に「大火力」と「釜の中の大きな熱対流」の二つがある。かまど炊きの羽釜は、薪の大きな炎が釜全体を包み込み、火力は弱まることなく沸騰し続ける。このとき、丸みを帯びた釜の中では、水と米が激しく対流を起こしながら混ざり合い、一粒一粒の米に熱が伝わっていき、主成分のデンプンが糊化(α化)する。

冷めたご飯のデンプンは、老化(β化)して美味しくなくなる。冷めても美味しいご飯は、デンプンがしっかりと糊化されているから冷めても老化しにくく美味しいのだ。「大火力」による連続沸騰は、しっかりとした糊化につながる。

実は、一般的な炊飯器は沸騰しつづけると吹きこぼれてしまう。そのため、電源のオンとオフを繰り返して熱源のIHヒーターの火力を抑えている。しかし、東芝は連続して加熱し沸騰し続けることができる。実際に、小容量の「RC-4ZWJ」と「RC-4ZPJ」で加熱できる約1000Wの高火力は、3.5合以下の小容量釜として最高値である。

なぜ沸騰を維持できるのかといえば、内釜の羽より上に余裕の空間を設けたことで連続して加熱ができるため、吹きこぼれないギリギリの強い沸騰をかまど炊きと同じように続けることができる。そして旨み成分がたっぷりと引き出され、お米一粒一粒をコーティングするのだ。

●釜の厚みを微妙に変えられる「溶湯鍛造製法」

東芝の「備長炭かまど本羽釜」は、かまどの羽釜と同じような形を目指して、釜底が丸みを帯びている。大きな熱対流を起こしやすくするためだ。釜底がウェーブ状なのも、釜底に蓄えられた熱が大きな泡を引き起こし、その泡が対流とともに米に熱を伝える作用を生むためだ。

大火力を伝えやすく、かつ熱対流を起こすために釜の厚みは、底と側面、上部で微妙に異なっている。厚さが均一になるプレス方式ではなく、東芝独自の「溶湯鍛造製法」だからこそ、微妙に厚みを変えられる。「溶湯鍛造製法」は、最初に発熱効率の高い「鉄」と熱を伝えやすいアルミを型に流し込み、高圧で一体成型する。その後、内側を削り出しながら丸みを形成する。「RC-4ZWJ」は、釜底が7mmで釜底ウェーブが9本、「RC-4ZPJ」は釜底が5mmで釜底ウェーブが6本の「備長炭かまど本羽釜」に仕上がっている。

●夫婦二人暮らしや一人暮らし世帯が増えて2.5合ニーズ高まる

これまで小容量タイプといえば学生の一人暮らし向けなどに対し、安さを売りにした炊飯器が多かった。だが、最近はこのゾーンにも高級IHジャー炊飯器が増えつつある。今後もそのニーズは高まるとみられている。

背景には、高齢化だけでなく、二人暮らしの50代や60代、夫婦共働きで意識的に子どもを持たないDINKS(ディンクス)、家族を持たないシングルリッチなど、ライフスタイルの多様化がある。2010年の国勢調査では、1世帯当たりの平均人員は2.4人で、今後も減る傾向が予想されている。

つまり、「毎日2合しか炊かないけど、おいしいご飯が食べたい」という客層が増えているのだ。東芝では「一膳からかまど炊きの味わい。食べきり本羽釜」と、こうした層に訴求していく。

●「釜飯」を想像させるほどコンパクト

今回、小容量タイプの「RC-4ZPJ」をメーカーから借りて自宅で試食してみた。残念ながら最上位モデルの「RC-4ZWJ」は、来年1月の発売に向けて炊飯プログラムの最終の追い込みをかけているので借りられなかった。「RC-4ZWJ」の操作面にある指で触れるだけで光が浮かび上がる「スマートタッチパネル」は、すっきりしたシンプルなデザインが魅力。さっとひと拭きすれば清潔に保てるのもうれしい。

さて、自宅に「RC-4ZPJ」を持って帰ってあらためて感じたのが、コンパクトなサイズだ。スペック上は「RC-4ZWJ」と同じ幅220×奥行297×高さ383mmだが、サイズ感が分かりやすいようにランチョンマットに茶碗と並べて置いてみると、そこに収まってしまうほどだった。

4人掛けのテーブルに置いて使っても圧迫感や違和感はなかった。電源コードがマグネットプラグ式なので、本体にコードリールのスペースを必要としない点も、コンパクト感の演出につながっているのだろう。

次に「備長炭かまど本羽釜」と茶碗を並べてみた。すると愛着感というか親近感にも近い、かわいらしさを感じる。すぐに思い当たったのは、釜飯専門店の釜に似ていることだった。2.5合炊きなので、釜飯の釜よりは大きいと思うが、どこか親近感のわくサイズなのが不思議だった。

●「ゆめぴりか」を2合炊いてみた

米は、最近我が家でも食べるようになった「北海道産 ゆめぴりか」を、2合で炊いてみた。2.5合炊きの内釜は小さいので、研ぐときは最初、少し違和感を覚える。ただ、力強く研ぎすぎないですむから、自分にはかえっていいかもしれない。なお、「RC-4ZWJ」も「RC-4ZPJ」も1合と0.5合の二つの計量カップを同梱しているので、1.5合や2.5合炊きも間違えずに計れる。

ボタン操作は左から順番に「お米」「炊き方」「かまど名人炊き分け」と押していけばいい。「お米」には、ヘルシーな「麦ご飯」にも対応している。炊き方には「おこげ」もあるので、香りを楽しみたい人にいいだろう。「かまど名人炊き分け」は、「しゃっきり」「おすすめ」「もちもち」「やわらか」から選べる。今回は「白米」「かまど名人」「おすすめ」でセットして「炊飯」ボタンを押した。

●炊き上がりは、ご飯の粒が立ってふっくら

待つこと55分。残り25分ぐらいからフツフツとおいしそうな音が聞こえはじめた。もちろん蓋の蒸気口から吹きこぼれはない。炊き上がって蓋を開けてみると、小容量タイプとはいえ、中央に凹みなどはなく、ふっくらと炊けている。ご飯の一粒一粒が見た目にも確認できる。熱がしっかり通っていることを示す「かに穴」もあった。

ふたを開けた時の香りもいい。しゃもじで釜底からひっくり返しても、ご飯の一粒一粒がつぶれていないのが分かる。実際にご飯を食べてみると、歯ごたえというか、硬すぎず柔らかすぎない心地よい弾力が伝わってきた。ご飯だけでも、十分においしく食べられる。

とにかく2.5合の小容量タイプでおいしいご飯が食べられることに驚かされた。来年1月上旬に発売予定の最上位モデル「RC-4ZWJ」は、釜底が厚く、釜底ウェーブも多いというから、さらに美味しさが増すのだろうかと想像すると発売が楽しみだ。

翌日、2合を「しゃっきり」で炊いてみた。こちらはかなりしっかりとした硬さで、カレーライスやチャーハン、丼ものに最適かもしれないと感じた。「麦ご飯」も1合で試してみた。1合の約150gに対して、2割の30gの麦を入れて炊いた。

さすがに、麦は軽いので炊き上がりは上の方に麦があり、しゃもじでかき混ぜて食べた。自宅で麦ご飯を作るのは初めてだったので、恐る恐る食べてみたが、ご飯とはまた違ったあっさりした食感が楽しめた。

思ったより、においも少ない。山芋をすって、とろろご飯にして食べると、するするとのど越しよく、1人で1合の麦ご飯をたいらげてしまった。

税別の実勢価格は「RC-4ZWJ」が8万5000円前後、「RC-4ZPJ」が6万5000円前後となっており、価格に見合うだけの美味しさが味わえる一品といえるだろう。(BCNランキング 細田立圭志)

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