二村ヒトシさん

――相手への執着が少なくなれば、恋愛で苦しまなくなれますか?

二村「執着の気持を手放しなさいって言っても、なかなかできない。それは“あきらめる”ってことだから。でも、現代では“あきらめる”って悪いことだと思われてますけど、本来は“明らかにする”、言い換えれば“自分には必要ないものを、必要ないと知る”って意味なんです」

――執着はよくないと頭ではわかるのですが……。どうすれば執着しなくなるのかがわかりません

二村「よく“手を放した方が、手に入る”って言いますよね。欲しい欲しいって思いにとらわれているものって、絶対に手に入らない。手に入っても、すぐにものたりなくて不満になる。それが“欲しい”ということです。

恋愛の相手にしてもさ、手に入れた瞬間に殺しちゃうんだったら手に入れることができるけど、相手は生きてるわけじゃないですか。絶対に手に入らないですよ、生きている人間って。彼がどんなにいい人だったとしても、いま抱いている熱い気持って、1年後には無くなっちゃってるかもしれない。だったら、いちばん熱い気持の時に殺しちゃった方がいいってことになる」

――殺すことで、相手を永遠に自分のものにしちゃうということですか?

二村「サスペンスドラマだと、相手を殺して自分のものにする犯人がよくでてくるけど、それをすると、だいたい幸せにならないでしょ? 生きてる人間を“あなたのもの”にするということは、その人を“殺す”というのと同じです」

――どんなに執着しても、彼は自分のものにはならないとわかれば、執着心が薄れる……ような気がしてきました。

二村「殺さないで生かしているままでもあなたを苦しくさせないような相手を、愛するべきなんです。そういう相手はどういう人なのかについては、ぜひ本を読んでみてください」

脱・ツラい恋愛のヒント
「自分自身を愛して、自分の愛し方を知る」
「彼への執着心が強くなっていかな?と自分に問いかけてみる」