アップルのiPhone 6s/6s Plusが9月25日に発売された。BCNランキングで集計した発売直後3日間(9月25~27日)の初速実売データでは、最も売れたモデルは60.2%でiPhone 6sの64GBモデル、キャリアシェアではソフトバンクが41.3%でトップだった。一方、予約販売限定としたことで、発売日の風物詩となっている長蛇の列が消えたためか、発売直後3日間の販売台数は前年比で84.0%と静かな船出だった。

iPhone 6s は4.7インチ、iPhone 6s Plusは5.5インチ、容量はそれぞれ16GB、64GB、128GBとラインアップの大枠は昨年を踏襲した新iPhone。発売直後3日間の販売台数構成比では、6sが89.0%、6s Plusが11.0%と、初速は4.7インチモデルが9割近くを占めた。

内訳は、最多の6s 64GBモデルに続き、同じく6s 128GBモデルが16.0%、6s 16GBモデルが12.8%だった。6s Plusでは64GBモデルの5.9%で最多だったが、構成比は1ケタにとどまった。大容量化は確実に進んでおり、昨年のiPhone 6/6 Plusの発売直後に比べて、64GBモデルの構成比は8.3ポイントも拡大した。一方で、5.5インチモデルの構成比は6.7ポイント縮小しており、現時点では、ファブレット化の進展は足踏み状態だ。

キャリアシェアでは、日本でいち早くiPhone 3Gから取り扱いを開始したソフトバンクが41.3%とトップを守り、強みを見せた。しかし、iPhone 6s/6s Plusでは、キャリア各社の販売合戦が過熱しており、auが37.5%と目前まで迫っている。販売の拡大を狙うドコモは21.1%と、スタートではやや出遅れた形になった。

2013年にドコモが販売を開始し主要キャリアすべてで取り扱いが始まったiPhoneは、この年のiPhone 5s/5cで飛躍的に販売台数を伸ばした。さらに、2014年のiPhone 6/6 Plusでは、初めて画面サイズを2ラインアップで展開したことで、さらに売り上げを拡大させた。iPhone 6s/6s Plusでは、このような目新しい展開が乏しい。初速では前年比84.0%と前年を大きく下回っている。しかし、A9チップの搭載でパフォーマンスが7割向上し、タッチパネルの押し込みの強さを識別する「3D Touch」など、基本性能は確実に向上しており、今後の販売動向に注目していきたい。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

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