米倉利紀 (撮影:西村康) 米倉利紀 (撮影:西村康)

公演を重ねるたびにその魅力的な組み合わせが話題を呼んできた『朗読劇 私の頭の中の消しゴム』。もともと日本のドラマ『Pure Soul』として生まれ、韓国映画としてリメイクされて大ヒットした『私の頭の中の消しゴム』。朗読劇となって早くも4回目を迎える。今回もバラエティに富んだ出演者が揃うなか、ミュージシャンとしてだけでなく最近は舞台での活躍も目覚ましい米倉利紀に話を訊いた。

「朗読劇 私の頭の中の消しゴム 4th letter」 チケット情報

ミュージカルからふたり芝居まで様々な舞台を経験している米倉だが、朗読劇は初挑戦。「お話をいただいてまず冗談交じりに訊いたのは『朗読劇ということは、セリフを覚えなくてもいいんですね?』ってこと(笑)。ありがたいことにここ数年立て続けに舞台に出演させていただいていますが、朗読劇は一度も観たこともなかったんです。それでも『米倉さんの声と存在がほしい』と最高の褒め言葉をいただいたので、その期待に応えられるよう、この声と身体だけを持って稽古場に行こうと思っています」。

記憶をなくしてゆく妻と、それを支える夫。舞台上のふたりは、永久不滅の愛を交わしていかなければならない。「役者としての軌跡はまだまだだですが、20年間歌い手としてメロディに心ある言葉をのせてきたという自負はあります。たとえば昨日の『愛してる』と今日の『愛してる』は全く違う、それぐらい気持ちと声って直結したものだと思ってるんです。たった2回の本番ですが、2回とも全く違うものを表現できればいいなと思っています。ぜひ両日観てほしいですね(笑)」。これまで回を重ねてきたシリーズに出演するというプレッシャーはあるが、過去の作品はあえて観ないようにしているのだとか。「誰かの真似になってしまっては意味がないので、映画も、これまでの公演もひとまずは自分の公演が終わってからのお楽しみにとってあります。まっさらな自分のままで、奇をてらわずに自然に演じられれば」。

舞台を経験したことで、米倉は自身の音楽活動にも影響があったのだという。「歌詞、台詞、言葉、同じ言葉でもいろんな表現方法があるという事を改めて心が自覚したのは大きな収穫です。音楽はすべて自分でプロデュースしていますが、舞台では演出家の方に自分を料理される楽しさを実感しています。今回も演出の岡本貴也さんと、相手役の馬渕英俚可さんにいろんな形で助けていただきながら、ミュージシャンである僕にしかできない役を作り上げていきたいと思います」。

公演は5月2日(水)から7日(月)まで東京・天王洲 銀河劇場にて上演。チケットは発売中。なお米倉は、5月2日(水)12時半と3日(木)13時の回に出演する。

取材・文:釣木文恵

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