ルームエアコンの国内出荷台数約790万台の見通しを示すダイキン工業の空調営業本部事業戦略室の谷内邦治住宅用事業担当課長

ダイキン工業は10月1日に開催したエアコンの新商品発表会で、2015年度のルームエアコンの国内出荷台数が約790万台(前年度比98%)になるとの見通しを示した。2010年度から5年連続で800万台を超えていた旺盛な需要が、6年ぶりに800万台を割り込みそうだ。

●前半戦の好調が後半戦に失速

理由は、7月から8月中旬まで猛暑が続いたものの、盆明けから一転冷え込んだため。好調だった今夏の前半戦のエアコン販売が、後半戦に猛暑が伸びずに失速して相殺された。「猛暑と冷夏が同じシーズンに起きた珍しい年」とダイキン工業の空調営業本部事業戦略室の谷内邦治 住宅用事業担当課長は見る。

日本冷凍空調工業会のルームエアコンの国内出荷台数(会計年度ベース)は、リーマンショックなどの影響で2009年度に691万台(同91%)に急落した。しかし、猛暑や暖房能力の向上で寒冷地でのエアコン普及が増えたこともあり、10年度は834万台(121%)に回復した。

その後、11年度は830万台(100%)、12年度は852万台(103%)、13年度は942万台(111%)、14年度は809万台(86%)と5年連続で800万台を突破していた。13年度の伸びは言うまでもなく、消費増税の駆け込み需要と猛暑が重なったためだ。

ダイキンは、世帯当たりのエアコン保有台数が14年度に3.01台(内閣府消費動向調査)になったこともあり、これまでの拡大期から、今後は買い替え需要を軸とする800万台前後の安定期に入るとみている。(BCNランキング 細田立圭志)