左からソフトバンク、au、ドコモのiPhone 6s(計測結果は新橋駅)

9月25日、ソフトバンク、KDDI(au)、NTTドコモはアップルの最新のスマートフォン「iPhone 6s」と「iPhone 6s Plus」を一斉に発売した。ドコモがiPhoneの取り扱いを始めて3年。いまや3キャリアから自由に選んでiPhoneを手に入れることができる。端末が同じ、とはいってもキャリアによって通信速度やつながりやすさは変わる。iPhone 6s/6s Plusで、最も速いキャリアはどこか。山手線の乗車人員が多い12駅で3キャリアの通信速度を計測し、比較した。

新iPhoneは4.7インチのiPhone 6s、5.5インチのiPhone 6s Plusの2ラインアップだ。今回は、家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」で、発売直後3日間(9月25~27日)の販売台数で89.0%を占めたiPhone 6sで計測を行った。

通信速度は、通信速度計測アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」を使用。計測は2015年9月28日の14時から17時30分の間に実施し、各駅で3回ずつ計測し、それらの平均値で比較した。なお、今回の結果は必ずしも体感と一致しない。実際の体感速度は使用するアプリによって変わり、Twitterなどの軽いアプリでは気にならないが、YouTubeなどで動画を再生すると「遅い」と感じる場合もある。あくまでも参考値としていただきたい。

計測した12駅のうち、東京、有楽町、新橋、浜松町、品川、池袋、上野、秋葉原、神田の9駅でソフトバンクのiPhone 6sが最も速く、最速駅の数ではソフトバンクがほかの2キャリアを圧倒した。12駅の通信速度の平均値も、ソフトバンクが34.95Mbps、auが23.29Mbps、ドコモが12.81Mbpsで、ソフトバンクが最速だった。

毎年、BCNでは恒例となっている新iPhoneの通信速度比較。昨年の2014年は東京メトロ副都心線で実施したため、山手線の測定結果はないが、2年前の2013年には山手線10駅で測定を実施した。そのときの結果はソフトバンクが12.75Mbps、auが12.09Mbps、ドコモは8.79Mbpsだった。2年前と比べると3キャリアとも大幅に速度がアップしていた。なかでもソフトバンクは12.75Mbpsから34.95Mbpsと2.5倍も速くなっている。

山手線が通る各駅はまさに東京の中心。スマホの利用者も密集するエリアだ。通信速度が遅くなりがちで「パケ詰まり」が起こりやすい環境とも言える。そのため、各キャリアはネットワーク環境の整備に力を入れている。山手線での通信状況は各キャリアの実力を示す一つの目安になるだろう。

いまやどのキャリアでもiPhoneを手に入れられる時代。そうなると端末価格、通信プラン、そして通信速度も考慮してiPhoneを選びたい。(BCN・山下彰子)