神田沙也加 神田沙也加

巨大な舞台セットや瞬時にして収容される大奈落、専用の照明・吊り物用バトン、そして客席天井まで張り巡らされたフライング設備。それまでの常識を根底から覆す舞台機構を配備し、帝国劇場が『MILLENNIUM SHOCK』を上演したのが2000年のこと。それから11年、座長・堂本光一が率いる『SHOCK』シリーズは毎年公演を重ね、今年3月10日までに799公演147万人の動員数を記録。いまや世界中から観客を迎えるようになった本シリーズが来年1月に博多座、続いて2月から4月まで帝劇にて、連続4か月公演を行うことが決定した。10月26日、都内のホテルで行われた製作発表には、堂本光一のほかキャストの植草克秀、内博貴、ヒロインを務める神田沙也加が出席した。

神田沙也加のほかの画像

まずは東宝株式会社 島谷能成代表取締役社長から、「初演から10年が経ち、構成・演出のジャニー喜多川さんからそろそろ外に出て行ってもいいんじゃないかという話が出て」、東京から一番遠い劇場をと博多座に決めた経緯を。その言葉を受け、博多座 芦塚日出美代表取締役社長も「博多では若い人たちはもちろん、私たちの年代もこの公演を待ちに待っています。舞台機構も新たに準備し、万全の状態でお迎えしたい」と意気込みを語った。

座長である堂本からは開口一番、「3月11日の東日本大震災により1幕でストップしたあの日から、僕たちの中では登場人物がそのまま止まっています。その続きを、博多座という素晴らしい劇場で再開できるのが嬉しい」という率直な心情が伝えられた。その言葉をうなずきながら聞いていた植草と内。「この作品に出るようになって、勉強になると同時に年齢を重ねるなかで勇気をもらっています」(植草)、「昨年7月に初参加した時は体験したことがない舞台に戸惑いました。でも公演を経た今では自分になかった部分が成長できたと思っています」(内)と、それぞれの胸中を。初参加となる神田も「帝劇内の稽古場から帰るときなど『SHOCK』を観終わったお客様と一緒になることがあるんですが、皆さん本当にキラキラした笑顔で。そんな素晴らしい作品に参加できて光栄です」と興奮気味に話した。

フォトコールの前には、芦塚社長から500人分25㎏の明太子が贈られる粋なサプライズも。大喜びの神田らを前に、その一部が入った桶を持ち上げ「すごい!でもめっちゃ重い…」と嬉しそうな笑顔を見せた堂本。11月にはマイケル・ジャクソンの振付も担当したトラビス・ペイン氏のレッスンと本作の振付を受けにロスに向かうなど気合い充分。その全貌が明らかになる本番を、今から楽しみに待ちたい。

公演は2012年1月7日(土)から31日(火)まで福岡・博多座で上演後、2月7日(火)から4月30日(月)に東京・帝国劇場にて公演。

取材・文 佐藤さくら