「nanaco」がビックカメラグループの全国220店舗で使えるようになった記念イベント。左からビックカメラ執行役員の堀越雄広告宣伝部長、女優でタレントの平愛梨さん、セブン・カードサービス執行役員の磯邊俊宏電子マネー開発部担当

10月1日からセブン&アイグループの店舗で使われている電子マネー「nanaco」が、ビックカメラグループの全国220店舗でも利用できるようになった。同日、両社がビックカメラ有楽町店で、スタート記念を祝うイベントの開催とキャンペンを実施した。同社はこれにより、主要電子マネーを制覇した。

●主要電子マネーの活用は専門店や百貨店で初

ビックカメラは2005年に東日本旅客鉄道(JR東日本)の電子マネー「Suica」を使えるようにしたのを皮切りに、イオンリテールの「WAON」、「楽天Edy」(旧ビットワレットのEdy)など、電子マネーが使えるように注力してきた。

同社執行役員の堀越雄広告宣伝部長は、「nanacoの取扱い開始によって、主要な電子マネーが使える。専門店や商業施設、百貨店などを含めても初めてのことだ」と語った。電子マネーの活用を広げる狙いは、それぞれのファンがビックカメラで買い物できるメリットと、レジ処理の時間が現金よりも半分以下に短縮される効果があるという。

●業界トップのヤマダ電機を上回る「nanaco」の利用金額

「nanaco」が使えるセブン&アイ・ホールディングスにとっても、今回、セブン-イレブンなどグループ以外の店で使えるようにしたのは初めてだ。セブン・カードサービスの磯邊俊宏執行役員は、「古くから扱ってきた電子マネーだが、活用が急速に広まってきたのはつい最近のこと。グループだけでなく異業種でも使えるようになったことが大きい」と、グループ外での利用に踏み切った背景を説明する。

15年8月末時点の「nanaco」の発行枚数は約4198万枚で、利用可能店舗数は約18万5900店舗。月間利用件数は約1億6500万件だ。1日当たり約550万件で、約50億円の利用がある。単純計算で年間1兆8250億円。家電業界トップのヤマダ電機の売上高をしのぐ規模だ。

「nanaco」の1日1件当たりの金額は約900円。セブン-イレブンで日常的に使っているユーザー層が浮かび上がる。一方の家電量販店は毎日の利用は少なくても、1回当たりの購入金額は大きい。セブン&アイグループにとっても、家電量販店の顧客を取り込めるメリットはある。

●1か月で総額100万円分の「スタート記念キャンペーン」

10月1日から31日までの1か月、ビックカメラ全店で「電子マネーnanacoスタート記念キャンペーン」を行う。「nanaco」で購入した顧客に、通常は200円(税込)で1ポイントを、2倍の2ポイントの加算をする。

3000円以上の購入客には、抽選で総額100万円分、合計285人にプレゼントをする。内訳は、70人に1万円分の「nanaco」ギフトカード、70人に7000円分のビックカメラ・コジマ・ソフマップポイント、205人に2000円分のビックカメラ・コジマ・ソフマップポイントが付与される。

キャンペーン期間にかかわらず、「nanaco」で支払うとビックカメラグループの現金払いと同率のポイントが付与される。ビックカメラグループ店頭でのチャージ(入金)も可能だ。(BCNランキング 細田立圭志)

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