『パレード』制作発表より 『パレード』制作発表より 山本裕典

2010年に行定勲監督により映画化された『パレード』の、舞台版の制作発表が10月26日に行われ、演出を手掛ける行定と、出演する山本裕典、福士誠治、本仮屋ユイカ、原田夏希、竹内寿が会見に出席した。

『パレード』チケット情報

舞台作品の原作となる『パレード』は、吉田修一が2002年に山本周五郎賞を受賞し、話題となった小説。都内のマンションでルームシェアをしている4人の若者たち。そこへ男娼をしている男が現れ、なんとなく一緒に住む事になるのだが、同じ頃、近所で女性を狙った連続暴行事件が起こり始める。一方で、お互いを干渉せずに過ごしてきた4人の日常が少しずつ変化していき……。

会見で行定は「『パレード』は、僕にとっての集大成になった映画です。これを演劇化するという話を聞いて、他の人にやられたくないな、という気持ちがあって。(原作は)時代を凌駕した若者像を捉えた小説で感銘を受けました。それをまた演劇でやらせていただくのは光栄」と話し、映画は自身でシナリオを書いたが、舞台版では「蓬莱竜太さんという、ずっと一緒に仕事をしたかった若手の作家の方に頼みました。自分で作った映画版を裏切ろうというのがテーマなんで、すごくそこは自分自身楽しみにしています」と映画との違いも明かした。

また、演じる側の山本は「舞台ならではの見せ方で、舞台を見に来た人をひとりでも多く魅了したい」と意気込みを語ったかと思えば、ルームシェアをしたら見られたくない姿はと言う質問に、「友達の家に遊びに行った時に、夕飯をご馳走になった後、トイレで大きい方をしたら音が鳴ってしまって。それを友達に聞かれて大爆笑されました」と恥ずかしい話をポロリ。同じ質問に本仮屋も「眠っている時の顔がよくないと友人に言われて。それから寝る時は暗くして見られないようにしてます」とマル秘エピソードを告白。この日が初対面という人もいる中、会見の場ですっかり打ち解けた様子だった。

そのやりとりを横で聞いていた福士と原田は苦笑しつつも「(秘密を抱えている役で)映画とは違った裏切りを見せられるんじゃないかなと思います」(福士)。「自分が今までやったことがない役で、(自分とは)違うキャラクターですが楽しみです」(原田)とそれぞれ意欲を語った。この日18歳の誕生日を迎えた竹内は「男娼(という言葉)すらも知らなくて。想像もつかないし、どうやって演じたらいいか解らなくて……」と難しい役どころに悩みながらも、「この先輩方と一緒にできるのが嬉しい」と明るく答えていた。

舞台『パレード』は、2012年1月16日(月)から29日(日)まで東京・天王洲銀河劇場、2012年2月4日(土)から5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。チケットは、東京公演は現在プリセール(WEB先着先行)実施中、大阪公演は10月27日(木) 21:00より実施。10月29日(土)より一般発売開始。