高齢社会の進行や女性の社会進出に伴う共働き世帯が増えるなか、家族の様子を見守るニーズが高まっている。10月15日に発売されるパナソニックの「スマ@ホーム システム」は、これまで敷居が高かったホームセキュリティーや見守りサービスを簡単に設置できる商品として注目されそうだ。

●実勢価格で3万円を切った要因とは

「スマ@ホーム」でおすすめめの基本システムは、ホームユニットと屋内カメラからなる「屋内カメラキット KX-HJC100K-W」と、同じくホームユニットと屋外カメラからなる「屋外カメラキット KX-HJC200K-W」のパッケージ商品だろう。

なんといっても価格が魅力的だ。価格はオープンで、前者の税別の実勢価格は3万円を切る2万6000円前後、後者は2万7000円前後。セキュリティー会社のサービスと比べると、導入費用は安く、ランニングコストも不要だ。

価格が抑えられる要因は、手持ちのスマートフォン(スマホ)やタブレットと連携したシステムだからだ。従来のホームセキュリティシステムは、専用のタッチパネル式モニターが必要になることが多く、その分、導入コストが高かった。「スマ@ホーム」はスマホがモニターの役割を担うので、安価なサービスになった。

なお「スマ@ホーム」は、屋内カメラや屋外カメラ、開閉センサー、人感センサーの単品販売をしてるので、将来的な拡張性も確保されている。

●子育て中の主婦から好評

さっそくパナソニックの系列店での先行予約では、子育て中の主婦から好評で予約を取り付けたという。パナソニックのアプライアンス社コンシューマーマーケティングジャパン本部AVCグループ情報通信チームの助川学チームリーダーは、「学校から家に帰ってきた子どもを確認できるだけでなく、屋内カメラとスマートフォンで交互に話せるのが魅力だったようです」と手ごたえを感じている。

屋内カメラとスマホで交互に通話ができるので、帰ってきた子どもや遠く離れた家族とも会話できる。

●電波干渉の少ないDECTに準拠

「スマ@ホーム」は接続も簡単。ホームユニットを電源に差し、「WPS」のボタンを押して宅内のWi-Fiルータと自動的に認証すればセット完了する。屋内カメラや屋外カメラを電源とつなげば、ホームユニットとは無線(Wi-Fi)でつながる。

スマホやタブレットは、専用アプリ「ホームネットワーク」をインストール。最大8台のスマホやタブレットを登録できる。

屋内や屋外のカメラ、各種センサーとホームユニットの無線通信は、1.9GHz帯のDECTを採用している。Wi-Fiなどの2.4GHz帯ではないので、電子レンジやほかの機器との干渉を受けにくい。約70mから約100mの範囲で通信が可能なので、一般的な家屋やマンションであればほぼつながる。

販売する側にとっても、「売れたけど、つながらなかった」ということがなく、安心してすすめられる。ただし、屋外カメラは宅内の電源と接続する必要があるので、そこだけは気をつけたい。パナソニックでは、屋外の電源と接続できる屋外カメラ(VL-WD712K)も用意している。

●ペットの見守りも

屋内カメラは、温度センサーや動作検知、音センサーも内蔵されている。ペットを飼っている人にとって、スマホであらかじめ設定した温度以上になると知らせてくれるのは気が利くと感心するだろう。設定以上の異常な音がしたときにスマホに通知してくれる機能も、家のなかで何が起きたのか確認できて安心だ。

屋内カメラの設置では、あえて壁に固定しない使い方も面白い。電源が取れる場所ならどこでもカメラが設置できるので、屋内カメラが1台でも、子ども部屋やリビング、玄関などフレキシブルにカメラを置き換えられる手軽さがいい。

年末・年始に実家に帰省したときに、両親にプレゼントしてセッティングしてあげるというのも、親孝行として喜ばれるのではないだろうか。

(BCNランキング 細田立圭志)