富士通は発表したスマホとタブレット端末の2015年冬モデル

富士通は、10月6日、2015年冬モデルのスマートフォン(スマホ)3機種とタブレット端末1機種を発表した。すべてのラインアップでMIL規格(米国国防総省が定める耐久試験)14項目に準拠する高い耐久性を実現した。

富士通のスマホブランド「ARROWS」は、今回発表の新モデルからブランドロゴを小文字の「arrows」に変更。モバイルフォン事業本部の高田克美本部長は「スマホを使用するユーザーの裾野が広がっていることを受け、誰にでも親しみをもってもらえるようなデザインを採用した」と、新ロゴの意図を語った。

端末の進化の方向性については「成熟期を迎えたスマホ市場で重要となるのは『心地よさ』。富士通が独自に磨き上げてきた技術は派手ではないが、根底を支える欠かせないものだ」とコメントした。「新モデルは、セキュリティと耐久性という両面をブラッシュアップすることで、『いつでもどこでも安心安全』をコンセプトにした端末に仕上げた」と、日常生活における潜在的不安に正面から向き合った新製品の強化点を説明した。

ドコモから発売するフラッグシップモデル「arrows NX F-02H」は、虹彩認証システムやTransferJetを搭載することで話題になった「ARROWS NX F-04G」の後継機。虹彩を利用した生体認証システムなどの独自機能はそのままに、本体の堅牢性が大幅に向上した。MIL規格に準拠しているのはもちろん、ポケットや鞄の中に入れても傷がつきにくい金属素材ハードアルマイトや、割れや曲りに強い極薄のファイバー素材を新たに採用し、新モデル屈指の強度を実現した。

液晶パネルは前機種と同じWQHD(1440×2560ドット)解像度のIPS-NEO液晶だが、画面サイズは5.2インチから5.4インチに大型化。虹彩認証センサの位置はセンターに移動し、より自然な姿勢から認証ができるようになった。約2150万画素のメインカメラはオートフォーカス(AF)速度が大幅に向上。被写体を瞬時に捉えてくれる。約240万画素のインカメラは、画像処理エンジン「GRANVU(グランビュー)」に新たに対応したことで、ノイズの少ない美しい写真を撮影することができる。OSはAndroid 5.1で、カラーはブラック、アイリス グリーン、ホワイトの3色。

PREMIUM 4GやMIMOによって高速通信によるダウンロードを実現していた前機種だが、新モデルはこの高速通信がストリーミングにも対応。Youtubeや定額制音楽配信サービス「dヒッツ」などをより快適に視聴できるようになった。バッテリ性能も向上し、3390mAh大容量バッテリと省電力機能で3日間の電池もちを可能にした。

同じくドコモから発売するミドルレンジモデル「arrows Fit F-01H」は、新モデルのコンセプトである安心と耐久性にプラスして、使い勝手に徹底的にこだわった。明るい屋外でも見やすい「スーパークリアモード」や騒がしくても聞き取りやすい「スーパーはっきりボイス」、変換や入力が快適な「Super ATOK ULTLAS」など、ユーザビリティの高い機能を搭載。バッテリ容量は2330mAhで、「NX F-02H」と同じく3日間の電池もちを実現している。

液晶パネルは5インチの有機ELディスプレイを採用。端末名通り、手にフィットする幅69mmの持ちやすいデザインが特徴だ。生体認証には指でなぞるだけでロック解除できる「スマート指紋認証」を採用する。OSはAndroid 5.1で、カラーはaka、kuro、shiro、midoriの4色。日本の赴きある情景をイメージした繊細な色彩に仕上げた。

SIMフリースマートフォンとして発売する5インチの有機ELディスプレイ搭載スマホ「arrows M02」も「Fit F-01H」同様に使いやすさを重視。「スーパークリアモード」や「スーパーはっきりボイス」、「Super ATOK ULTLAS」などの機能を搭載する。特徴は独自のホーム画面「Leaf UI」。横方向にスクロールすることで、よく使用する機能にすぐアクセスできるので、スマホビギナーでも簡単に使いこなすことができる。OSはAndroid 5.1を採用する。提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)はケイ・オプティコムとニフティで、カラーはブラックとホワイトの2色。ケイ・オプティコムのみ標準カラーに加えてピンクをラインアップする。

10.5インチの有機ELディスプレイを搭載する富士通初のSIMフリータブレット端末「arrows Tab M01T」は、ファミリー向けの機能が充実。家族で使い分けができるマルチユーザー機能を搭載し、利用者ごとにアプリや設定、データを個別で保有することができる。指紋認証を搭載しているので、ログインもスムーズだ。防水仕様なので、シーンを選ばず自由に利用することができる。細かな工夫として、壁に立てかけても端末をしっかりホールドできるグリップエッジを底面部に滑り止めとして装備。OSはAndroid 5.1で、カラーはホワイト。

富士通の調査によると、虹彩認証や指紋認証などの生体認証搭載モデルは、非搭載モデルと比較して、画面ロック利用率が約3倍だという。高田本部長は「ヒューマンセントリック技術を追求することで、意識しない部分でユーザーにメリットがある工夫を取り入れていきたい」と、モバイル端末分野におけるビジョンを示した。また、SIMフリー市場における戦略については「今回、SIMフリーとして発表した端末はミドルレンジモデルだが、防水・防じんなど富士通としての特徴はすべて抑えている。機能を絞り込み、できる限りリーズナブルにユーザーに提供したいと考えている」と説明。ラインアップの充実にも意欲をみせた。

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