ママにとって出産は大きなイベント。
でも赤ちゃんにとっては、それと同じくらいのことが生まれてすぐの24時間に起こります。

赤ちゃんにとって、もっとも急激な変化が起こる24時間。どんな変化が起こっているのか知ることで、生後すぐの時間をどう過ごしたら良いのか考えてみましょう。

生まれたばかりの赤ちゃんが体験している変化

1) 3つの管を塞いで、血液の流れを変化!

赤ちゃんが生まれて、何より大きな変化が、血液の流れです。

胎児の時にも心臓は動いていましたし、血液は心臓を通っています。
しかし、酸素や二酸化炭素などの交換は通常肺で行うところ、へその緒・胎盤に依存しています。

栄養素は口から入って腸で吸収されますが、これもへその緒・胎盤に依存しています。
老廃物の排泄も、通常は肝臓や腎臓で行うところ、へその緒・胎盤に依存しています。

つまり、人間が自分の力で行っている機能を、胎児の時にはすべて母親にゆだねていたのです。それを、産まれた瞬間に、自分の力で行っていかなければならないのです。
これは大変な作業です。

こういう大きな変化が起こるにあたって、胎児の時に3つの管(一部、穴)があるんです。
動脈管・静脈管・卵円孔と呼ばれるものです。

胎児の時には必要だった3つの管を閉じることで、血液の流れを大きく変化させ、様々な機能を自分で行っていけるようになるのです。

どうやって閉じるのか。

それは、産まれたときの産声です。

肺に溜まっていた水分を吐き出して、酸素を取り込むことで肺が膨らみ、その瞬間、血液の流れが変わり、圧が変化し、閉じることができるのです。

たった一瞬の出来事ですが、少し時間がかかる子もいます。

特に、身体を満たしていた水分を吐き出すという作業には、時間がかかります。

生後24時間くらいは、初期嘔吐といって、透明な羊水のような水分を吐くお子さんも少なくありません。