マカフィーは、インターネットがまだ広く普及していなかった1990年から、Eコマースやソーシャルメディアの発展に伴いサイバー犯罪が爆発的に増加した20年後の2010年までのマルウェアの歴史を、自社ブログで紹介している。

1990年当時は、政府といくつかの大学だけがインターネットを利用しており、マルウェア数は357種類だけだったが、デスクトップPCの普及によってセキュリティの必要性が認識されるようになった。

当時、データ漏えいといえば、マルウェアに感染したフロッピーディスクをPCに挿入するか、感染したEメールの添付ファイルを開いてしまうことことが原因であり、マカフィーでは「アンチウイルスの時代」と表現している。

その後、インターネットの普及や、社内外にネットワークを構築する企業が増加したことによってセキュリティの必要性が高まり、「ネットワークセキュリティの時代」が到来する。

1995年には、マルウェア検出数は8069種類に上り、メールの20通に1通はスパムメール、「Melissa」ウイルスが数十万台のPCに感染。2000年には、5万6342種類のマルウェアを検出、標的はWindows PCだけでなくMacにも拡大し、スマートフォンを狙う「Cabir」ウイルスが出現した。「I Love You」ワームは数百万台のPCに感染。「MyDoom」ワームが世界全体のインターネット接続速度を10%低下させ、380億米ドルの被害を発生させた。

2010年の段階では、電子メール全体の90%以上がスパムメールとなり、10代の27%が家族のPCをウイルスに感染させ、42万件近くのフィッシングサイトを検出。マルウェア検出数は、2005年には16万4000種類、2010年には5400万種類と、その後も拡大を続けており、マルウェアの標的は、Mac OS Xや携帯端末、スマートフォンやタブレットへと広がり、いまや年間5500万超となっている。

この20年で、サイバー犯罪はゼロから数十億ドル規模の産業にまでなっている。今後もますます増大するマルウェアからPCや携帯端末保護するためにも正しいセキュリティソフトの積極的な利用を勧めている。