「dynaPad N72」

東芝は10月13日、Windows 10を搭載したモバイルノートPCの冬モデル10機種を10月23日から順次発売すると発表した。従来機「KIRAシリーズ」の後継商品に加え、新モデルとして、12型(インチ)クラスでキーボードを外すと「世界最薄最軽量のタブレット」になる着脱式のノートPCをコンシューマと法人の両方に向けて投入する。

同社がWindows 10搭載のノートPCを発表するのは、これが第三弾。今回、従来機からきょう体を変更したモバイルノートPC「KIRAシリーズ」の最新機種を中心に発表したが、目玉は新モデル「dynaPad」を冠にしたコンシューマ向けの「dynaPad N72」と法人向けの「dynaPad S92」の発売を明らかにしたことだ。

「dynaPad N72」は、キーボードと、タブレットとして使える液晶ディスプレイの着脱式ノートPCで、切り離すとタブレット部分が薄さ約6.9mm、重量約569gの「12型クラスで世界最薄最軽量」(10月13日現在)になる。同PCは、キーボードドック装着時でも1kgを切る約996gの軽さで、きょう体サイズが薄さ約14.9mmと超コンパクトサイズになっている。

タブレットは、ワコム製のアクティブ静電結合方式(AES)ペン(高精度アクティブペン)と東芝独自のファインチューニングAES技術で、ディスプレイ上に小さい文字をスラスラ書ける。同社は、「紙のノートのように薄く、軽く、書きやすい。B5用紙サイズの画面で『1000冊、1000ページ』つまり100万ページのデータを保存できる」と特長を示す。

手書きメモや撮影画像、録音データなどを記録したり、情報の編集や加工をしてオフィスアプリやメールに出力が簡単にできる「TruNote」「TruCapture」「TruRecorder」など、豊富なアプリと近接無線転送技術「TransferJet」を搭載した。「ビジネスパーソンや学生に役立つ機能を自社製アプリで満載に搭載した」(同社)という。法人向けの「DynaPadS92」は、一部アプリが未搭載だが、Windowsショップで有料で購入できる。

一方、このほかのモバイルノートPCの新商品は8モデルをラインアップした。従来5モデルだった「KIRAシリーズ」は4モデルに減らし、従来機の「dynabook KIRA R82」をプロ仕様のペンタブレットにもなる「dynabook RX82」として発売する。

「dynabook RX82」は、12.5型のWindowsタブレットになる軽さと強さを備えたマグネシウム合金の2 in 1のノートPCだ。タブレット部分は、自然な書き心地で手書き入力が可能だ。第6世代のインテルCPU(開発コード名=Skylake)Core M-6Y30を採用した。

「KIRAシリーズ」は、きょう体サイズが13.3インチでOSにWindows 10 Home 64ビットを採用しているのは共通しているが、モデル別にCPUなどが異なる。

「dynabook KIRA L93」は、CPUにCore i7-5500Uを搭載し、使うシーンに応じて7つのスタイルに変化する着脱式のノートPC。13.3型ワイドのWQHDの液晶ディスプレイを備える。ハイレゾに対応するほか、地上デジタルテレビ放送の番組(HD映像)を録画した以外の場所で楽しめる「SeeQVault」にも対応。サウンド機能として新たにデュアルマイクを加えた。

「dynabook KIRA V83」は、重量が1.32kgで約13時間の長時間駆動を実現し、成形技術を組み合わせ強い堅牢設計にした。CPUはCore i5-5200Uで、このほか、ディスプレイ、ハイレゾ、地デジ、デュアルマイク対応は「dynabook KIRA L93」と同様だ。

ディスプレイにフルHDでノングレア液晶を搭載した「dynabook KIRA V73」と「dynabook KIRA V63」は、ともに約16時間の長時間駆動を実現した。ハイレゾ、地デジ、デュアルマイク対応は「dynabook KIRA L93」と同様。「dynabook V73」は、SSDが256GBで、「dynabook V63」が同128GBと異なっている。

「dynabook R83/R73」の後継機種になる「dynabook RX73」は、光学ドライブを搭載しつつ、さらに薄さを追求したモデル。きょう体サイズは、薄さ(高さ)は、夏モデルの「dynabook R83/R73」が26.5mmだったのに対し、21.4mmと5mm強も薄くなった。きょう体にはマグネシウム合金を採用し、加圧、落下位、防滴テストもクリア。堅牢性を維持しつつ軽量化を実現した。

「dynabook RX73」は、2モデルで、「RX73/TWP」がCPUにCore i3-6200Uを搭載しドライブにブルーレイを、「RX73/TWQ」がCPUにCore i5-6200Uを採用しドライブにDVDスーパーマルチドライブを搭載する。両モデルとも重量は約1.44kgで、バッテリー駆動時間は約10時間。

最後に夏モデルでWindows 8.1を搭載していた「dynabook N51」の「Windows 10 Home」版をライアンアップした。重量は1.4kg、薄さが21.9mmのスタイリッシュボディで約4.6時間駆動できる。マイク部分は、他の機種と同様にモノラルからデュアルに変更した。

税別の実勢価格は、10月23日発売の「dynabook N51」が10万円台半ば、「dynabook KIRA L93」が24万円前後、「dynabook KIRA V83」が20万円前後、「dynabook KIRA V73」が18万円台半ば、「dynabook KIRA V63」が17万円前後の見込み。

11月下旬発売の「dynabook RX73/TWP」が18万円前後、「dynabook RX73/TWQ」が16万円前後。12月中旬発売の「dynabook RX82」が18万円台半ば、「dynaPad N72」が13万円前後の見込み。なお、12月中旬発売の「dynaPad S92」は構成により価格が異なる。(BCNランキング 谷畑良胤)