「放浪記」の脚本を書いた菊田一夫の胸像と並んだ仲間由紀恵

 舞台「放浪記」の囲み取材会が13日、東京都内で行われ、出演者の仲間由紀恵、若村麻由美、永井大ほかが登壇した。

 本作は、作家・林芙美子の人生の喜びと悲しみが5幕に表現された大作舞台。森光子が昭和36年の初演以来、単独主演記録の2017回にわたり主演を務めた。

 芙美子役として主演する仲間は「いよいよ初日。皆さまにお披露目できるワクワクと緊張もありますが、みんなで頑張って稽古をしてきたことを信じて、一生懸命楽しい舞台にしたいと思います」と笑顔で意気込みを語った。

 仲間は「森さんは半世紀を懸けて大切にこの舞台を育ててこられたので…。本当に素晴らしい、とてもとても手の届かない存在。森さんにも喜んでいただけるように、少しでも近づけるように誠心誠意、心を込めて一生懸命演じていきたい」と言葉に力を込めた。

 また、芙美子が自作の小説が評価されたことに歓喜する場面では、森の「でんぐり返し」が名物となっていたが、今回からは「しなやかな側転」に変化した。

 仲間は「皆さんが楽しみにしているシーン。私なりのアイデアを出して、いろいろ試させてもらった中で一つの形としてこれに決まった」と明かした。

 「着物では足を広げるのも大変では?」という指摘には「いろんな工夫をしました。側転を“見せる”というよりは気持ちを爆発させる、うれしいという気持ちをお芝居として皆さんにお届けできれば」と丁寧にその意図を説明した。

 そんな仲間について永井は「最高です。一つ一つのシーンが愛くるしくてチャーミング。座長としても素晴らしい仕切り」と絶賛。若村も「お話をたくさんする中で、仲間さんは精神的にも体力的にもタフな方だなと感じた。全105ステージしっかり乗り切れると思います」と太鼓判を押した。

 舞台は14日~11月10日、都内、シアタークリエを皮切りに、大阪、名古屋、福岡で上演。