『銀幕の果てに』囲み取材の模様 (画像左より)木崎ゆりあ、石田明、矢島舞美、味方良介、佐久本宝、松本利夫

春のつかこうへい復活祭VOL.2『銀幕の果てに』が4月24日に東京・紀伊國屋ホールにて開幕、それに先がけ囲み取材と公開ゲネプロが行われ、主演の矢島舞美、味方良介、木崎ゆりあ、石田明、佐久本宝、松本利夫が出席した。

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『銀幕の果てに』は、1994年に発表されたつかこうへいの長編小説で、秩父山中にあるという設定の大東映画撮影所を舞台に、映画界の裏側を描きながら繰り広げられる告発サスペンス。今回、岡村俊一の演出で初めて舞台化される。

囲み取材ではそれぞれの役どころを紹介。矢島は「私は大女優の野火止玲子という役をやらせていただきます。圧倒的な強さと、みんなを包み込むようなやさしさを持っている人。17歳から60歳までを演じますが、気持ちはずっと若い人なのであまり気にしないようにしています」、味方は「僕は村雨官房長官という、物語とは一線を置いたところにいる役です」、木崎は「凉子という大部屋女優の役です。玲子にいじめられる役ですが、リアルでは仲良しです」、石田は「復讐に燃えて大東映画撮影所に戻ってきた謎の脚本家という役を演じます。とても執念深い役です(笑)」、佐久本は「僕は照明家で、間違ったことは『間違ってる!』とビシッと言う役です」、松本は「牛沢という映画監督の役です。ぶっちゃけこのストーリーの中だと自分が何なのかわからなくなってくるのですが、そういう部分も楽しんでいただければ」とそれぞれ話した。

この日は、つかこうへいの誕生日。矢島は「たくさんの方がつかさんに影響されてきたと思います。その責任や覚悟を持っていかないとという気持ちは強いです」と話す。また、「春のつかこうへい復活祭VOL.1」として同じ紀伊國屋ホールで4月21日まで上演されていた『熱海殺人事件』から続けて本作に出演する味方と石田は「覚醒状態」(石田)、「どこまでも行ける気がしています(笑)」(味方)とコメント。共演者たちを笑わせた。

伝説の女優・玲子のまわりで起きた奇っ怪なエピソードや、撮影所に隣接する原子力発電所の意味、燃料棒の中に浮かび上がるハサミの謎、荒唐無稽な設定と、どこからどこまでが撮影している映画なのか現実なのかが錯綜する本作を、キャスト達が全身全霊で演じ切る。そこにあるものはなんなのか、ぜひ劇場で確かめてみてほしい。

東京公演は4月29日(月・祝)まで東京・紀伊國屋ホールにて、その後大阪公演が5月8日(水)9日(木)にCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで上演される。

取材・文・撮影:中川實穗