ハイレゾ対応オーディオプレーヤーやヘッドホンなど、多数の新製品を発表

オンキヨー&パイオニアは10月14日、東京・豊島区の池袋P'PARCOにある「ニコニコ本社」でハイレゾワールド2016を開き、オンキヨーとパイオニア両ブランドのハイレゾ対応オーディオプレーヤーやヘッドホン、Bluetoothスピーカーの新製品を発表した。

同社の宮城謙二社長は、「e-onkyoで配信するハイレゾ音源は13万曲を超えた。多くの人に高解像度の音楽という新しい価値の認知が進んでいる。一方で、SpotifyやYouTubeのようなストリーミング配信サービスで視聴するスタイルも台頭してきている」と、最近のトレンドを説明した。続けて、「ブランド初となるハイレゾ対応オーディオプレーヤーは、このトレンドを満たすモデルとして開発した。日本のハイレゾ市場を拡大する武器として訴求していきたい」と、新製品を紹介した。

オンキヨーブランドからリリースするオーディオプレーヤー「DP-X1」は、最大DSD11.2MHzと384kHz/24bitのハイレゾ音源の再生が可能だ。Android 5.1.1を搭載することで、Google Play Musicやspotifyなどのストリーミング配信サービスにも対応し、音楽視聴の二大トレンドを満たすプレーヤーに仕上げた。オーディオプレーヤーとしては、大型4.7型ディスプレイ(1280×720)の操作パネルを備えるているので、音楽だけでなくゲームやブラウジングを楽しむこともできる。

ネットワーク機能は、音質劣化の原因になるが、オーディオとAndroid CPUの基盤を分離することで、この問題を解消した。ヘッドホンジャック周辺やスイッチング電源の配置にも配慮し、ノイズの混入を極力排除した。

オーディオ回路には、ESS社製SABRE DACの最上位モデルと同社の伝送効率が高いアンプを2個ずつ搭載することで、ハイレゾ未満の音源やストリーミング音源もクリアな高音質で再現した。イヤホンジャックには、2.5mm4極バランスヘッドホン端子を採用し、高解像度のくっきりとした音を出力できるようにした。

また、Play Thru機能によって、192kHz/24bitのハイレゾ音源をWi-Fi/Wi-Fiダイレクトでワイヤレス転送することができる。オンキヨーが運営するハイレゾ音源配信サイト「e-onkyo music」の専用ダウンローダーを備えているので、楽曲を購入する際にわざわざPCを介する必要がない。内蔵ストレージは32GBだが、microSDスロットを2基用意し、最大288GBまで増設できる。バッテリ時間は約10時間で、重量は約203g。価格はオープンで、実勢価格は、税別で6万9800円前後の見込み。

デジタルオーディオプレーヤーでは世界で初めて、新ロスレスフォーマット「MQA(Master Quality Authenticated)」に対応したことも特長の一つだ。「MQA」はハイレゾ相当の音質を維持したまま、データ容量を大幅に縮小する次世代フォーマットで、ストリーミング配信サービスの高音質化を期待されている。発表会では「MQA」の生みの親である英メリディアン・オーディオ社のロバート・スチュワート氏が登壇。新製品のローンチへの祝辞と対応するオーディオプレーヤーが登場したことへの喜びを語った。

パイオニアブランドからリリースするデジタルオーディオプレーヤー「XDP-100R」は、基盤のレイアウトや使用しているアンプなどが「DP-X1」と同様だが、上部に着脱可能なバンパーを備えるなど、デザインが異なる。2.5mmバランス出力には対応しない。カラーはブラックとシルバーの2色。バッテリ時間は約10時間で、重量は198g。価格はオープンで、実勢価格は、税別で5万9800円前後の見込み。

「DP-X1」は音質を追求するコアなオーディオファン、「XDP-100R」はハイレゾを気軽に楽しみたいユーザーをターゲットに想定している。

新製品のお披露目後は、映画ハリー・ポッターの吹替やアニメ「黒子のバスケ」などの声優として活躍する小野賢章さんが登場。ニコニコ生放送を中心に人気のネットタレント百花繚乱さんの進行で、音響機器に対する思い入れや新製品の印象を語った。

仕事でオンキヨー製のイヤーモニターを使用しているという小野さん。ライブ中に愛用しており、手放せない存在だという。新製品については「オーディオの知識があまりなくて……」と前置きしつつも、「一つひとつの音をクリアに聴き分けることができました。収録しているスタジオの空気感がしっかりクリアに伝わってきます」と“音”を生業とするプロならではの意見を述べた。

新製品で気に入ったのは、音量を調整するダイヤル式のボリュームノブ。161ステップの細かい音量調整ができることが売りだが、小野さんはそのスタイリッシュなデザインを「これはモテちゃいますね!」と高く評価した。

イベントの様子は、ニコニコ生放送で一般視聴者にも配信された。オーディオファンから生の反応や質問のコメントがステージ横のディスプレイに映し出され、会場と大いに盛り上がった。オーディオプレーヤーの実勢価格が発表されると、「安すぎる!」というコメントが並ぶなど、ハイスペックを追求した端末の値踏みをしていた多くのユーザーを驚かせていた。