【ステップ2】果糖は中性脂肪を増やすから太る説

果糖が肥満原因に結びつくという考え方は、「食べすぎると中性脂肪を増やす働きがある」と研究で示されたことが根拠になっているようだ。国立健康・栄養研究所のウェブサイトにも、果糖の多量摂取は中性脂肪を増やすと記載されている。

余剰な中性脂肪は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられ、太った見た目になったり、メタボリックシンドロームを引き起こしたりする原因になる。

国の機関が認めているのだから、やはりフルーツはダイエットに適さないのだろうか? だが、それを否定する意見もある。続く【ステップ3】で見てみよう。

【ステップ3】“果糖=太る”を否定する説

果糖は中性脂肪を蓄えやすいから肥満原因になる。そんな説に反論するのが、業界団体などによって作られた「うるおいのある食生活推進協議会」だ。同団体によるサイトでは「くだものに対する誤解を解く」というコーナーを設け、中性脂肪増加説について“まったくの誤解です”と否定する。

解説によれば、果糖が中性脂肪を増やすとした動物実験は、総摂取エネルギーの20%を果糖で摂取した場合だという。この条件を人間に置き換えると、みかん50個以上を1日に食べる計算になる。

(前略)これほどの量を継続して食べることはありませんから、この実験データのようになることはありません。

なお、世界保健機関(WHO)等は、糖類に関する多数の文献を精査し、1997年に「糖類摂取は肥満を促進するという考えは誤りであり、果糖やショ糖等の糖類が生活習慣病に直接結びつくことはない」とし、砂糖等の糖類についての有害論争に終止符を打っています。

「毎日くだもの200グラム!」より

たしかに極端な条件の動物実験で中性脂肪が増えると言われても、納得しがたいものがある。消費者としてはもっと現実的なレベルで、しかも人間を対象にした研究の結果を知りたいと感じる。

また、同サイトでは、適正量のフルーツ摂取は中性脂肪の量を正常化するとも述べている。

国内でも最近、適度の量のくだものを食べる人は、血液中の中性脂肪の含有量を正常化し、痛風等生活習慣病にかかる率が低いことが明らかになっています。

「毎日くだもの200グラム!」より