——今は、雑誌やネットなどで子育ての情報が溢れすぎていて、振り回されてしまうことも少なくないと思いますが、今子育てをしているお母さんが「テキトー母さん」になるために必要なことって何でしょうか?

立石:お母さんが自分に自信がないから、子育て情報に頼ってしまうんじゃないかと思います。自分が、自分の直感が一番正しいって信じることが大事です。

ネットや本に書いていることって、著者はあなたの子どもを見ているわけではありませんから、あなたの子どもの事はわからないで書いている訳です。
うちの子はこういう性格で、こういうことをすると嬉しがって、こういうことが苦手だっていうデータベースみたいなものは0歳から育てているお母さんが一番正しい情報を持っている。
どんなに偉い先生が言っていたって母親にかなうものはないですよ。

先日も「色んな本を読んでいるんだけど、自分の子どもにどう置き換えるか分からない」と相談してきたお母さんが悩んでいたのは「子どもが食事中に何度も席を立つ」ということでした。

「本には『食事中は最後まで座らせなくてはいけない』って書いているけど、どうしても集中力が切れて席を立ってしまう。どうしたらいいですか?」って聞かれたから「席を立ったら食事を下げてしまえばいいんですよ」と答えました。
次のご飯まで何もあげなかったら「あの時、席を立ったからこんな目に遭うんだ」って理解するようになります。

更に「後でお腹が空いたって言ったら何かあげてもいいですか」と聞かれたので、「それをやったら元も子もありません。だから、どんなにひもじい思いをしても、12時まではあげない、お腹が空いたって泣きつかれても『さっき席を立ったからご馳走様ってことでしょう』と言えばいいんです」と答えました。

スーパーで地べたに座り込んで泣かれたら、どうすればいい?

——家の中でならまだできる気がするのですが、外出先ではどうすればよいでしょうか?
本にはスーパーで「お菓子買って」と言われても今日は買わない、と決めたなら買う必要はないとありましたが、泣かれたり、周囲の迷惑にならないかと思うと、つい買ってしまったりします…。

立石:スーパーで地べた泣きされてしまったら、買い物をやめて帰ってしまいましょう。
何を優先するのか?ということですが、周囲に迷惑だと思われてツラい、まだ買い物を継続したい、でも子どものしつけをしたい、と複雑になるところを、「今日は心を鬼にしてしつけをする」と決める。

そのために、出かける前に約束をしておくとよいですよね。約束なしに事が起こってからもぐら叩きするのでは大変ですから。