フォルダーに入れたmagatama。円形のモジュールを取り外し、他のフォルダーに付け替えることもできる。中央の四角い指紋センサーに指を当てて認証する

DDSは10月27日、世界初のウェアラブル指紋認証機器「magatama(マガタマ)」を発表した。ID・パスワードに変わる新しい本人認証を実現するもので、直径31mmのモジュールに指を当て端末などにかざすだけで決済や解錠などができる。カードや鍵の代わりとして普及させることを狙う。スマートフォン(スマホ)に専用アプリをインストールしBluetooth接続することで利用でき、11月にもサンプル出荷開始する。

モジュールはボタン電池で1年間動作し、様々なデザインのフォルダーに取り付け常に持ち歩いて利用する。FeliCaとNFCを搭載するため、あらかじめ登録した指をmagatamaに当てて認証した後に、決済端末にかざすことで決済することもできる。モジュールはスマホと指紋情報と認証結果をやりとりするだけで、指紋のパターンデータ自体はスマホが持っているため、モジュールを落としても不正利用される恐れはない。

同社では、magatama本体やスマホアプリを販売・配布するほか、独自に設置したmagatamaサーバーで認証を行い、パスワードレスでWebサービスなどを利用できる環境も提供する。FIODと呼ばれる標準規格でスマホとサーバー間でやりとりをするため、サーバーに指紋情報を持つ必要がないため、広く普及することが期待されている。

製品発表で三吉野健滋 代表取締役社長は「当社初の世界を目指す製品。現在のIDとパスワードでの個人認証は限界に来ている。しかし、銀行などの生体認証は互換性がなくほとんど普及していないのが現状。そこで、ウェアラブルでさわってかざすだけの超簡単なmagatamaの出番。サーバーではなくスマホに指紋のパターンデータを持ち、自己責任で認証データを管理することで、普及も容易。すでに上場企業10社以上からの引き合いがあり、年間10-100万個の単位での販売を見込んでいる」と語った。