『コスモス』

©Alfama Films

『ポゼッション』でフランスを代表する美人女優イザベル・アジャーニの怖いほどの美貌と美しい肢体をフィルムに焼きつけ、『私の昼はあなたの昼より美しい』では後に事実婚状態にあった(いまは関係を解消)ソフィー・マルソーの妖艶な美しさを引き出したポーランドの鬼才アンシェイ・ズラウスキ。

その15年ぶりの最新作は、観客をカオスに陥れる罠が随所に仕かけられているが、主人公が恋におちる美しい娘をめぐる官能的なタッチも健在。

独創的で甘美な世界にズブズブと引きずり込まれてみるのもいいかもいれない。

 

『アレノ』

©2015 ユマニテ

女と愛人が邪魔になった女の夫の殺害を計画したとき、3人の乗ったボートが転覆。

女と愛人は岸に辿りつが、そこには夫の姿はなかった…現実と幻想が入り乱れる映画はほぼ3人だけで展開。

『SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』のヒロイン役や昨年のNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」の小説家・宇田川先生役も記憶に新しい山田真歩が、ヌードも辞さない体当たりの演技で、女性の自身でもコントロールできない性を生々しく体現していて目が離せない。

 

『桜ノ雨』

©2016 halyosy・藤田遼・雨宮ひとみ/PHP研究所/「桜ノ雨」製作委員会

ボカロバーチャルアイドル・初音ミクの420万回再生を誇る永遠の名曲「桜ノ雨」を実写映画化。2011年に「三井リハウス」の14代目リハウスガールとしてデビューし、『暗殺教室』『Zアイランド』などの話題作に出演している注目の若手女優・山本舞香が合唱シーンやソロで唄うシーンで美しい歌声を聴かせてくれる。

彼女の新たな魅力とともに、新世代の青春ムービーのあり方を提示していて深い余韻を残す。

 

『ピンクとグレ―』サリー(夏帆)

©2016「ピンクとグレー」製作委員会

Hey! Say! Jumpの中島裕翔と菅田将軍の共演、トリッキーな構成で話題の行定勲監督の最新作だが、ヒロインを演じた夏帆の存在も見逃すことはできない。

セーラー服の女子高生から派手なメイクの女優までを演じ分けていて、ただただ可愛かっただけの彼女を卒業。中島との濃厚なラブシーンにも挑んでいて、これまでに見たことのない新たな魅力を開花させている。

さあ、ここまで読んで、あなたはどの女の子=女優が気になったかな。

スクリーンで気になった女子を目撃し、自分の見る目は正しかったのか否かを確認して一喜一憂するのも映画の愉しみ方のひとつ。

東京国際映画祭でそんな映画鑑賞本来の喜びや面白さをもう一度体験して欲しい。

※一部映画祭での上映が終わっている作品があります。スケジュールを公式サイトでご確認の上、おでかけください。

映画ライター。独自の輝きを放つ新進の女優と新しい才能を発見することに至福の喜びを感じている。キネマ旬報、日本映画magazine、T.東京ウォーカーなどで執筆。休みの日は温泉(特に秘湯)や銭湯、安くて美味しいレストラン、酒場を求めて旅に出ることが多い。店主やシェフと話すのも最近は楽しみ。