(画像左から)神谷俊一郎、坂本雅幸、梶原徹也、石塚充 (画像左から)神谷俊一郎、坂本雅幸、梶原徹也、石塚充

2016年に35周年を迎える太鼓芸能集団・鼓童。デビュー以来、世界47カ国で5,600回を超える公演を行う彼らの、創立35周年記念第一弾「鼓童ワン・アース・ツアー 2015 ~混沌」が11月より全国11都市で行われる。今ステージでは、芸術監督・坂東玉三郎演出の最新作『混沌』を披露。ドラム監修に元THE BLUE HEARTSのドラマー・梶原徹也を迎え、和太鼓とドラムというこれまでにない競演にチャレンジする。

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「玉三郎さんには『打楽器奏者として、和太鼓だけではなくてなんでも本格的に演奏できるようになってほしい』と常々言われていて。だから当初からいつか作品にドラムセットを入れるという話はありました」(鼓童・石塚充)。そこで出会ったのが梶原だった。もともと梶原は「和太鼓と自分のビートは合う」と感じていたという。「以前、セッションで鼓童さんの曲をやらせてもらったのですが、私のビートと和太鼓のビート感がすごく合うなと感じました。そこから和太鼓に興味が湧いて、自分なりに研究していました」。

実際にドラムの指導を受ける3人のうちのひとり、坂本雅幸は「表現が全然違うので最初は自分たちも戸惑う部分もあったんですけれど、慣れてくると発散できるというか、楽しんでできるなって感じはしますね」と笑顔を見せる。

鼓童にとって初めてとなるドラムの演奏。その監修というゼロからの作業を行った梶原が1番作りたかったのは『グルーヴ』だという。「和太鼓の演奏にドラムのグルーヴを混ぜて、踊れる感じもちょっと入ったらいいなとか、ビート感も感じてもらえたらいいなとか、考えました」

今作のタイトルでもある『混沌』。そのテーマは製作の方法にも及んでいるという。「玉三郎さんは、最終的にはいろんなものが混ざり合って、きれいに調和のとれたものを聴かせたいとおっしゃっていますが、そのためには1度本当にぐちゃぐちゃさせないとそれが生まれてこない。現場では玉三郎さんが楽しまれているので、僕らもそのスピード感に乗っかっていて、これまでで一番楽しい創作現場になっているような気がします」(石塚)。

そうやってできあがった調和は、鼓童を知る人にも、初めて観に行く人にも、これまでにない音の体験になるだろう。

「ドラム以外にもタイヤやいろんな国の楽器など初めての試みが詰まっている舞台です。隅々まで観ていただけたらと思います」(神谷)

「リラックスして観られる楽しい舞台だと思うので、初めての方にも観に来てもらいたいです」(坂本)

「2時間通して聞こえてくる音色がとにかく気持ちいい舞台です。ぜひ劇場に浴びに来ていただけたらと思います」(石塚)

「全体的にハッピーな感じというか、そういうバイブレーションが作品の中に漂っているので、みなさんもぜひ聴きにいらして、楽しい気持ちで帰っていただきたいです」(梶原)

公演は、11月23日(月・祝) の新潟・アミューズメント佐渡を皮切りに全国11都市を巡回。

取材・文:中川實穗