知られざる「東京ディズニーシーに港ができる前」の物語
「テーマポートの制作過程展示」の入口に飾られていたのは「セブン・シーズ」のマップ。
7つの海が描かれていますが、現在の東京ディズニーシーとは姿が異なります。
1992年、ディズニー社が提示した東京ディズニーシーのコンセプトは「セブン・シーズ(七つの海)」。
「冒険とロマン」というキーワードと主に、ポルト・フィーノ・ハーバー、ジュール・ヴェルヌのミステリアス・アイランド、マーメイド・ラグーン、ロストリバー・デルタ、グレーシア・ベイ、ディープ・シー・アウトポスト、ビッグ・シティー・ウォーター・フロントといった現在のテーマポートのもとになる基本構想が生まれました。
その後、基本構想は、セブン・シーズ(七つの海)からセブン・ポート(7つの港)へと修正されます。
各テーマポートのバックバックグラウンドストーリーやコンセプトアート、そのテーマポートらしい立体造形物などが飾られ、来場者を楽しませていました。
3時間じゃ物足りない! 1日楽しめたTDSの全体模型
東京ディズニーシー制作過程展示の中でも一際注目を浴びていたのが「模型展示」です。
東京ディズニーシー全体の模型や、プロメテウス火山の模型、テーマポートのモデルになった時代や地域の調査に基づいて制作された擬岩が展示されていました。
その中でも注目したいのが、アメリカにあるウォルト・ディズニー・イマジニアリングからやってきた「東京ディズニーシー全体の模型」です。
東京ディズニーシーの模型といっても、これは現在の東京ディズニーシーができあがる以前に作られたものなので、実際の園内とは異なっている部分が随所にみられます。
- 「ブロードウェイ・ミュージックシアター」の場所が異なる。
- 「ケープコッド」の灯台が四角い。
- 「ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ」の裏手にステージ用の土地がある。
- 「ミステリアス・アイランド」の中にガレオン船がある。
- 「ポートディスカバリー」「ロストリバーデルタ」「マーメイドラグーン」には現実にはない橋がかかっている。
- 2006年稼働の「タワー・オブ・テラー」はあるのに、2005年稼働の「レイジングスピリッツ」はない。
これらは発見のごく一部です。
さらに!
さらにですよ!!!
この模型は「セブンシーズ」構想の頃のアートとも異なる世界の模型です。
過去のアートと現在の園内の記憶を交錯させながら、模型を眺めていたら、あっというまに3時間がたっていました。
ディズニーのイマジニアたちが描いていた世界と、現在の東京ディズニーシー、そして未来の東京ディズニーシーを旅する充実した時間を過ごすことができました。