作・作詞・楽曲プロデュースを森雪之丞、演出を白井晃が手掛ける新作ミュージカル『怪人と探偵』が、今年9月に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて上演される。本作は、江戸川乱歩作品を原案にしたオリジナルストーリーで、大怪盗・怪人二十面相を中川晃教、名探偵・明智小五郎を加藤和樹、ヒロイン・北小路リリカを大原櫻子が演じる。大原に話を聞いた。

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脚本を読んだ感想を「怪盗と探偵の駆け引き、男女の関係、どちらもハラハラする作品です」と楽しそうに話した大原。自身が演じるリリカについて「ある背景があって、ただの品のいい令嬢ではない。清純でありながら泥沼の世界も知っているような女性です」と語る。

怪人二十面相を演じる中川と明智小五郎を演じる加藤の印象を聞いてみると、「実は小学生の頃にテレビで中川さんが歌っていらっしゃるのを観て、本当に素敵な歌声で“うわ、この人といつか歌いたい”と思ったんです。だから中川さんと共演できるのが夢のように嬉しくて!」と待望の共演なのだそう。一方、加藤は「以前イベントでご一緒させていただいたのですが、そのときに先輩方に“和樹~!”ってかわいがられている加藤さんの印象が強いんですよ。だから今回、ビジュアル撮影の写真を観て“あれ!カッコいい!”って(笑)。フランクな加藤さんしか知らなかったので、素敵って思いました」と、怪人と探偵同様どこか正反対ともいえる存在のよう。

演出を務める白井とはミュージカル「わたしは真悟」(2016)以来のタッグ。「『わたしは真悟』で白井さんのことを大好きになりました。心を委ねられるし、本音をぶつけることができる方です」と全幅の信頼を寄せる。作・作詞・楽曲プロデュースを務める森とは、大原が出演した新感線☆RS『メタルマクベス』disc2(2018)の公演中に話をしたといい「公演を観て“櫻子ちゃん、俺ちょっと書き直すわ”と言ってくださって。だからこそ脚本が楽しみでしたし、実際に読んで、嬉しいなとも感じました」と明かす。

音楽は本作ならではの布陣。テーマ音楽を「東京スカパラダイスオーケストラ」が書き下ろし、劇中の楽曲の作曲は「WEAVER」の杉本雄治が手掛ける。「テーマ音楽を少しだけ聴かせていただいたのですが“きたきたきたきた!”って感じるような音楽で、ハラハラドキドキしました!」。KAAT2019年度のラインアップ発表会で森も「“この作品から日本のオリジナルミュージカルの歴史が始まった”と言われるような作品にしたい」と話した本作。果たしてどんな作品が誕生するのか楽しみに待ちたい。

公演は9月14日(土)から29日(日)まで、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて。ぴあでは5月26日(日)23:59まで二次抽選受付中。

取材・文:中川實穗