イラストレーター・制服研究者:森伸之(左)とカメラマン:武井裕之(右)

被写体はすべて素人の女性を採用!

――武井さんは、どうやって被写体選びをされているんですか?

武井:
人の紹介だったり、twitterで見つけたり。プロのモデルは使いません。商業的・ビジネス的な関係の雰囲気がでてしまうので。わざとらしくない、素人の初々しい感じ、自然な感じで、養殖型のモデルではないものを撮りたいです。

――素人の方を撮るとなると、被写体への指導も難しいですよね

武井:
そうですね、けっこう難しいです。ポーズの指導より、メンタルの部分で話をすることの方が多いかもしれない。例えば3年生だったら、「もうすぐ卒業だよね、高校生活振り返って、楽しかったこととか、先生ともめたこととか、そういうことを振り返ってみて」なんて話して、ようやく表情も出来上がってくる。作品になるまで何回か撮って、自分との関係を柔らかいものにしてから撮る場合もあります。

変な言い方ですけど、被写体の子に自分が初恋を抱くような気持ちになるシチュエーションで撮っていくのが一番良いです。……なんて言うと、被写体の女性に引かれちゃうかもしれないけど(笑)。

また、矛盾するのですが、モデルさんの表情を観て欲しい訳では無いのです。作品で重要なのは、被写体の背後に存在するモノにリンクしてもらうことで、女の子の表情はその入り口に過ぎません。

街でお気に入りの制服を見かけたら…

――続いて森さんに質問です。イラストを描く際、どうやって資料集めをされているんですか?

森:
学校に直接聞いたり、あとは学校の何十年史とかお借りしたり。昔は水道橋の方に学校史をいっぱい扱ってる古書店があり、そこに行って買ってきました。

『東京女子高制服図鑑』では基本的に写真を撮らず、街で見かけた制服は文庫本の余白とかにメモしていました。今も制服を見かけるとついチェックしてしまいますね。