【漫画】テレビアニメ&映画化で話題!『宇宙兄弟』のみどころ

リアルな宇宙開発の描写と濃密な人間ドラマが読者を惹きつける漫画『宇宙兄弟』。今年はテレビアニメ化&映画公開でさらに注目を集めています。その世界観とみどころをまとめました。

週刊モーニングで連載されている『宇宙兄弟』(作:小山宙哉)が好調だ。2008年のスタート時からリアルな宇宙開発の描写と濃密な人間ドラマが読者を惹きつけ、2011年に講談社漫画賞&小学館漫画賞をダブルで受賞。今年のゴールデンウィークには小栗旬の主演で劇場映画も公開される。テレビアニメは一足早く今月から放映開始。ブログやソーシャルメディアを分析するサービス「クチコミ@係長」によれば、数ある春アニメのなかでも注目度トップ3に入っているそうだ。

今回は未読の人にも分かるように、広がっていく『宇宙兄弟』の世界観とみどころをお伝えしたい。

■あらすじ

舞台は近未来の2025年。「日本人初の月面着陸者」という優秀な弟をもつ南波 六太は、弟がなじられたことが原因で上司に暴力を振るい、会社を辞めていた。自分は何をやっても要領が悪いと落ち込む六太だが、ひょんなことから“幼いころの夢”を思い出し、宇宙への憧れを再燃させる。三十歳を過ぎてからの宇宙飛行士選抜試験――夢を今度こそ叶えるため、あまりにも狭き門に六太は挑む!

■みどころ

まず何と言っても目に付くのは、程よいリアリティだ。未来の話ではあるが変に飛躍したところはなく、人々の生活ぶりから宇宙関連のメカニックまで現在の延長線上にしっかり位置づけられている。連載にあたってアメリカのNASAへ行き、宇宙飛行士に取材もしているというのだから凄い。ストーリー序盤の要となる宇宙飛行士選抜試験も「そんなことやらされるの!?」と信じられない課題ばかりだが、作者によれば半分くらいは創作、残り半分は実際に行なわれている試験に準じた内容だという。宇宙飛行士はここまでの能力を求められるのかと驚かされる。

一歩間違えれば読者を置き去りにしそうな厳しい試験シーンの連続だが、キャラクターの絶妙な設定がそれを防いでくれている。六太は連載スタート時点で31歳の無職。イケメンな弟にくらべモッサリした容姿で、髪もモジャモジャ。面接では汗を流して緊張し、受験者に美人がいると試験そっちのけで見とれてしまうなど非常に親しみやすい「俗物」だ。そんな男がどうやってライバルひしめく選抜試験を乗り越えていくのか、ハラハラしながら読み進めていける。受験者・試験官・家族などすべての脇役にも長所と短所、過去や行動原理がしっかり説明されていて違和感がない。人間臭いキャラクターたちが世界観のリアリティを引き立たせているのだ。

そんな彼らと六太との人間ドラマも本作の大きな魅力だろう。並外れた集中力を除けば取り柄の少ない六太は、たぶん彼一人なら試験の序盤で脱落していたはずだ(というか願書を出したのも彼本人ではない)。周囲とのつながり、そしてつながりが生み出したいくつかの偶然が六太を助けていくことになる。

こうしたドラマ部分でとりわけ重要なのは『宇宙兄弟』というタイトル通り、弟の日々人との絆だろう。某・北斗の拳なら「兄より優れた弟なぞ存在しねぇ!」と兄弟間に決定的な亀裂が入っていそうなものだが、この二人は違う。六太は年長者として多少の焦りを感じているものの、優秀な弟の活躍を心から喜んでいる。一方の日々人も兄を見下したりせず、「ムッちゃん」と親しげに呼びながら彼の夢をサポートする。世間的には自分のほうがヒーローなのに、どこか兄を尊敬しているようなフシもあるようだ。ストーリーが進むにつれて逆に六太が日々人の窮地をフォローしたり、さまざまなシーンで二人の揺るぎない信頼感が描写されている。

思えば、この兄弟で宇宙モノという初期設定はとても秀逸だ。宇宙飛行士を題材にした作品はともすれば「宇宙ばかり」か「地上ばかり」に構成のバランスが偏りやすい。そうそう頻繁に一人のキャラクターが地上と宇宙を往復するのはストーリー的にも不自然なためだろう。その点『宇宙兄弟』は基本を地上の六太視点にしながら、必要なところで日々人がいる宇宙のシーンを挟み込める。だから話のテンポが良く、同時に「遠く離れていても心はつながっている」描写もできて一石二鳥の効果がある。
“兄は地(地上)から弟を追いかけ、弟は天(宇宙)から兄を信じる”

――シンプルだが『宇宙兄弟』を一文で表すなら、そんな作品と言えるだろう。

■あわせて読みたい

近未来の宇宙開発と飛行士選抜を題材にした『度胸星』という作品がある。宇宙と無縁だった一般人が飛行士を目指したり、ハードな選抜試験など『宇宙兄弟』と共通点は多いが、こちらは人類が火星進出時に遭遇した謎の存在「テセラック」との対峙がストーリーの大きな鍵になっていて、SFミステリーの要素が強く好対照だ。敵か味方か、生物なのか無機物なのか判らない(おそらく三次元の存在ではない)テセラックにどうアプローチするのか期待されたが、伏線をすべて消化しないまま全4巻で終了したのは残念。ただ、それを差し引いても作品としてのクオリティは非常に高く、オトナが読む宇宙コミックとしてはトップクラスにお勧めできる。

ちなみに作者の山田芳裕氏は『度胸星』終了後にビッグコミック系からモーニングへ移籍しており『へうげもの』が有名。奇しくも現在『宇宙兄弟』と同じ雑誌の連載作家である。
 

【関連サイト】

映画『宇宙兄弟』‐ぴあ映画生活
映画『宇宙兄弟』公式サイト
・TVアニメ『宇宙兄弟』サイト‐読売テレビ

【関連情報】

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