あっと驚く“超変化球”も…

昭和時代の漫画の復活には、「その発想はなかった!」「どこにそんな需要があるんだ…」と驚くものもある。

『キン肉マン』→『キン肉マンレディー』
『魁!!男塾』→『紅!!女塾』
『ブラック・ジャック』→『ヤング ブラック・ジャック』

『キン肉マンレディー』と『女塾』は、それぞれ原作者公認のスピンオフ。タイトル通り、原作のキャラを女性化したものだ。主人公の性格や必殺技などもほぼ原作に準じるが、「火事場のクソ力」が「火事場のおっぱい力」になるなど細かい変更点は多い。絵柄も萌え路線で、原作者が描く正式な続編とはまた違った楽しみ方ができる。

そして筆者が個人的に大注目しているのは、手塚治虫氏の名作をベースにしたスピンオフ『ヤング ブラック・ジャック』。現在TVアニメ、漫画版とも好評展開中だ。

同作では学生運動が盛んな1970年前後を舞台に、まだ本名(間 黒男)を名乗っていたころのブラック・ジャックが描かれている。彼が無免許の闇医者に堕ちた経緯、後に商売敵となるドクター・キリコとの出会いなどが語られ、原作ファンとしても興味深い。

迫真のオペシーンと重厚なドラマを備えた同作はそれだけで充分おもしろいのだが、超変化球たる理由は“エロさ”である。女性キャラがエロいのではない。黒男をはじめとした男性キャラの描写がひたすらエロいのだ……!

アニメ公式サイトを見ればわかるが、まず基本のキャラデザインからして色気たっぷり。なにげないシーンでも表情や仕草がいちいちエロい。また、本編中でもやたら男性キャラが脱ぐし、やたら男同士で絡む。そのため女性ファンたちが色めき立ち、あまりの美男子プッシュに「BJ(ブラックジャック)というよりBL(ボーイズラブ)じゃないの?」と評する声もあった。

もちろん男性が見ても問題なく楽しめる良作なのだが、美形キャラに興味のある女性はぜひチェックいただきたい。こういうスピンオフも悪くないわね、と納得してもらえれば幸いだ(?)。

パソコン誌の編集者を経てフリーランス。執筆範囲はエンタメから法律、IT、教育、裏社会、ソシャゲまで硬軟いろいろ。最近の関心はダイエット、アンチエイジング。ねこだいすき。