子どもは絵本を読んでもらうのが大好きです。

でも、「絵本を使って文字を教えよう」「内容をわかっているかどうか聞いてみよう」「感想を言わせよう」と親が熱心に頑張りすぎると、かえって本嫌いになってしまうことがあります。

そんなNGなやり方を『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』の著者の立石美津子がお話しします。

NG1.いい感想を求める

絵本の読み聞かせが終わった後、「どうだった?面白かった?」と質問し、「うん、面白かった」という答えを引き出そうと必死に誘導ビーム(=光線)を送るケース。

でも、よく考えてみればどんな感想を持とうと子どもの自由なのです。「これこれこういう答えを期待している」という顔つきを親がしないようにしましょう。

読んだら読みっぱなし。子どもから「ああ、面白かった」という声が聞かれなくても心の中ではいろんなことを感じています。

話は違いますが…

トマトが嫌いな小学生の子のママが「野菜を好きになるには自分で育てさせたらいい」と小耳に挟んで、家庭菜園でプチトマトを作りました。けれども、絵日記には「プチトマトを作りました。でも、まずかったです」と書いてありました。

でも、これも立派な感想です。

NG2.テストする

理解しているかどうかテストするケース。

  • 「一番、偉いのは誰?」
  • 「どんな動物が出てきたか言ってごらん?」
  • 「この字はなんと読むの?」
  • 「この後、どうなると思う?」と、後日談を無理して作らせる。

これが続くと、親が絵本を手に持っていると子どもは「ああ、テストされる!試される!」と思うようになり、絵本の時間が苦痛になっていきます。

NG3.教訓を垂れる

昔話には教訓が隠されています。あえて親が補足説明をしなくても、子どもの心には伝わっています。

それなのに、余計な言葉を足しているケース。

  • “三匹の子豚”“蟻とキリギリス”“兎と亀”を読み聞かせたあと「だからコツコツと努力することは大切なことなのよ。努力すれば必ず結果は実るのよ」と言う。

→運動会のために一生懸命練習したけれども、本番、転んでビリになってしまった等、世の中には努力しても実らないこともあります。断言しないようにしましょう

  • “泣いた赤鬼”を読み聞かせたあと「だから、お友達には優しくしないとダメなのよ。思いやりの心をもって接してね。どう?わかった?」「お友達とは仲良くしないとダメなのよ!」

→「みんな仲良く」のスローガン。でも、子どもだって馬が合わない友達もいます。

  • 狼少年を読み聞かせたあと「だから嘘はついてはダメなのよ。普段から嘘をついていると、結局誰からも信用されなくなってしまうのよ。」

→嘘も方便という言葉がありますが、嘘をつくことも人間関係維持のためにはあります。子どもの世界にもありますから、ここで断言するのも?です。

昔話は後から親が色々と補足説明をしなくても、文章を読んでやるだけで教訓が伝わるように作られていますから、親が補足説明する必要はありませんよ。