【まずは地上での講習】

道具の準備が終わったら、地上で講習を受けます。

レギュレーターのくわえ方、マスクに水が入ったときの対処法、ハンドサイン、耳抜きの方法…等々。

特に耳抜きは、ちゃんとできないと耳がツーンとしたり頭痛に襲わてしまう最重要項目です。

 

インストラクター「レギュレーターのくわえ方は、ア、イ、ウです。アの口で酸素が出る部分をくわえ、イの口で噛み付く、ウの口で唇をすぼめて、固定します」

ゴトウ「なるほど」

インストラクター「ツバ程度は、そのまま吐き出せば出て行きます」

ゴトウ「あっ知ってる!ジョジョの3部で言ってた!」

つまり、凪のあすからのヒロイン、向井戸まなかちゃんのツバも海中には溶けだしてるって…こ…と…?

 

「スコ~~~~~~~~~スコ~~~~~~~~~~」

さあ、そんな感じで15分ほどの講習が終わったら、いよいよ装備を装着します。

ウェットスーツを着込み、空気を入れることで浮力を得ることができるジャケットを羽織る。重たいボンベを背負い、ベルト状のウェイトを腰に巻きます。さらに手袋を手に着けて、マスクと足のフィンは海ギリギリまで手に持って移動します。まさにフル装備といういでたち。

 

ちなみにこの地点で、装備トータルでめっちゃ重い! 海までは10メートルもないような距離ですが、そこまでの移動で既に息切れする私。

…さて、海のすぐ近くまで来たら、マスクを装着し、足にフィンを取り付けて恐る恐る海の中へ向かいます。入る瞬間はちょっと冷たいですが、確かにそこまででもない。太ももあたりまで浸かったら腰を下ろすと、いい感じに浮かびます。

 

腹ばいに浮かびながらインストラクターさんが用意してくれた浮き輪に捕まっていると、そのまま沖まで引っ張っていってくれます。ちなみに沖とは言っても海岸から10メートルほど。

移動した地点で、ロープを下ろして浮き輪を固定。いよいよ海の中に潜るぞ!

 

インストラクターさんがジャケットの空気を抜いてくれると、自然と身体が海の中に沈んでいきます。この際、姿勢はできるだけまっすぐに保ったまま、ロープをたどるように降りていきます。

で、ちょっと進んだ地点で、インストラクターさんが耳を指差すジェスチャーをしてきます。そそそそうだ!分かってます!耳抜き!

 

鼻を手で押さえて、耳に空気を送り込むように…と思ったら、

「ボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴ」

…空気が全部、口から漏れる!

実は耳抜きの練習は前々からしていたんです。まー普通は鼻を指でつまみ、口をしっかりと閉じた状態で息を噴き出して、逃げ場のなくなった空気が耳に流れ込むように練習しますわな。そんな練習はめっちゃ済ませていたんですよ。

しかし実際にダイビングをするとなると、レギュレーターをくわえているせいで、口が開いた状態になっているんです。できるだけ唇で隙間を閉じてはいるんですけど、呼吸の勢いで簡単に空気が漏れてしまう。全然耳に空気がいかない!はわわわわ。落ち着いてもう一回!

 

「ボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴ」

当然のように口から空気が!なんなんのこれ!

 

…しかし、「舌を上あごに着けることで、空気の通りを悪くする」という手順を取ることで、耳に空気を通しやすいことを発見。よっしゃー! オッケーのハンドサインで答える私。

と思ったら、またすぐに耳抜き指令が。 はいはいはい!

んでもって、またすぐに…

さらに、またすぐに…

などと言っている間にも、またすぐに…

耳抜き回数、めっちゃ多いな!

最初の体験ということで、深水7メートルほどの場所まで潜ったんですけど、その間に耳抜きを10回近くやりました。こんなに耳抜きが頻繁に必要だとは思わなかった。

 

そんな感じで耳抜きを繰り返しつつ、何とか海底の岩場に到着! 岩にしがみつき、とりあえずひと息つけます。落ち着いて回りを見渡すと…。

 

完全に海底!!

周りは無音で、自分の呼吸音だけが淡々と頭の中に響き渡ります。

なんか「本来は人間のテリトリーじゃない場所に、強引に入り込んでいる」というスリル、緊張感、そしてワクワク感が凄い。これは…海底人との出会い→恋愛→結婚のコース…無くはないぞ…!

 

海の底では

インストラクターさんの後をつけて、岩場を這いつくばるように進んでいきます。人魚というよりはナマコの方が近い。

 

この地点で、魚もめっちゃ見れます。体験ということであまり期待していなかったんですけど、海岸から10メートル程度のところにも魚っているんですね。

ヒレをパタパタさせて泳いでる魚がどれも可愛くて面白い!んでもって、こっちが近くに行っても、ギリギリまで逃げたりしません。

 

しかし彼らのプライベートエリアに進入するやいなや、まさに目にも止まらぬスピードできびすを返して去っていきます。早い!オフ会でちょっとだけ会話をしたものの、図に乗ってメールアドレスを聞こうとしたら途端に去っていく女子くらい早い! (亜光速)

 

それでも、様々な魚を間近で見られるのはすごく楽しい! 写真は取れませんでしたがウツボやエビ、イカも見れました。テンション上がるー!!

しかし、そんな感じで海底を楽しんでいると…。

 

なんだか気分が悪くなってきました。

実はワタクシ、車だの船だのに酔いやすいタチでして。小学生の頃の遠足なんかでも確実にゲロっちゃって、それがイジメにも繋がっていたんですが…

今回はどうやら海のフワフワ感に酔ったようで、なんかこみ上げてきました。お腹のあたりも気持ち悪い。

さらにボンベ内の空気は乾燥しており、水中ではめっちゃ喉が渇きます。口の中も喉もカラカラ。酔って気分も悪いし水が飲みたい! しかし当然水分補給など無理な話。深い水の底にいるのに!うう、これはやばいか…?

 

…と思った頃に、ちょうど切り上げの時間になりました。

地上まで繋がっているロープをたどりながら陸地に戻ります。 正直ホッとしました。酔いやすい体質の人は、酔い止めなどを飲んでおくといいかもしれません。

入水時間は30分。終盤は酔ってしまったし、海底人にも出会えませんでしたが、充分楽しかった!