雑誌などで、よく見かける人気の街ランキング。しかし、人気の街=住みやすい街なのでしょうか?

これまで東京の5つの街を住み歩いてきた、住宅ライターでもある筆者が3つの視点から分析します。

街の財政から見る“お得な街”とは?

「財政力がある街ってどこ?」。じつはその答えは、財務省の統計によって明らかになっています。

財政力指数が1であれば収支のバランスが取れているのですが、その指数を超えているのは全国1765地域の中でも70地域しかありません。では、首都圏では、どのような街があるのでしょう。

・千葉県浦安市

いわずとしれた東京ディズニーリゾートがある街です。都心への交通の便も優れています。

・東京都武蔵野市

常に人気のある街ランキングでトップを争う吉祥寺がある街です。財政力にも優れているのですね。

・埼玉県戸田市

1985年に埼京線が開通し、池袋・新宿・渋谷などへ1本で行ける街として人気があります。

・東京都調布市

東京23区に隣接する街で、京王線・バスと交通網が発達している住宅街です。

・東京都府中市

調布市に隣接する街です。公園が多く、行政サービスにも優れています。

 

では、子育て世代にお得な街はあるのでしょうか? 財政力に優れていることと、子育てに適していることとは必ずしも一致しません。財政力指数が小さくても、子育て世代に財源を割いている自治体はあります。
私自身、妻の妊娠を機に転居しましたが、産婦人科がない街もあり苦労しました。

よく比較されるのは、待機児童の数です。しかし、保育園に入所できない場合、延長保育付きの幼稚園へ預ける方も多く、幼稚園の補助金なども見ておいたほうがいいでしょう。
こちらは年額で1万円という自治体から、30万円を超える地域まであります。医療費の負担についても一般的には中学生卒業までですが、小学生までで打ち切られる自治体、逆に千代田区のように高校生まで負担なしの地域もあります。