『エベレスト3D』 (C)Universal Pictures

公開中の映画『エベレスト3D』が公開になった。本作は、世界最高峰エベレストに挑む者たちのドラマを、1996年に起こった実話を基に描く超大作で、氷河や雪渓などに形成された深い割れ目“クレバス”を渡る緊迫の場面が描かれている。

本編映像の一部

エベレストは、ヒマラヤ山脈に位置する世界最高峰の山。標高8848メートルの山頂を目指す者たちはあとをたたないが、山頂部では風速320キロメートルもの風が吹き、気温は零下26度にまで下がる。気圧は地上の3分の1ほどで、酸素を供給しなければ、肉体と意識は停止してしまう過酷な場所だ。本作では多くの者を魅了する“極限の地”を臨場感あふれる3D映像で描き、さらに1996年に起こった実話を基に、自然が猛威をふるう中で必死に生き抜こうとした人々のドラマを描き出す。

このほど公開されたのは、雪山に現れたクレバスにハシゴをかけてゆっくりと渡るシーン。裂け目は深さ数10メートルにもなり、一歩間違うと“死の入り口”になってしまう。映像ではジョシュ・ブローリン演じるベックが、クレバスに設置されたハシゴを渡るも雪の塊か崩れたことでパニックになり、危機が訪れる場面。気が動転するベックの叫びと、ジェイソン・クラーク演じるロブ・ホールたちが彼を必死に救出しようとする場面は観ているだけで息がつまりそうになる。

クレバスに設置されたハシゴは多くの場合はこのシーンのような事態になることはなく、安全に渡ることができるが、慎重に歩を進めるため、どうしても登山隊全員が進もうとすると時間がかかってしまう。近年はエベレスト登頂を目指す者が多いため、ハシゴの部分で“待ち行列”ができてしまい、その間に手足が凍えてしまう登山者が出たり、予定よりも時間がかかってしまった結果、悪天候やトラブルに巻き込まれるケースもあり、映画『エベレスト3D』ではそのような問題点やトラブルを物語の中に巧みに取り入れている。

なお、本作は3Dで観客が“体感”できる画面づくりがされており、このほど公開になった映像も、大きな画面と大音響、立体映像で観ると印象は大きく異なる。映像で確認した“死の入り口”は、映画館のスクリーンでどのように映し出されるのだろうか。

『エベレスト 3D』
公開中