香川一福 神田店/あっさりしていながら、コク深い肉   撮影:清水真帆呂(東京フォト工芸)

沿線の駅周辺で人気の「うまい肉が食べられるお店」を、肉マイスター・田辺晋太郎さんがセレクトする連載企画。第3回の今回は、【山手線・神田駅】のうどん店で、絶品「肉うどん」を発見!

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  • 香川一福 神田店/店舗外観

コク深い肉と出汁が絶妙にマッチする「神業」肉うどん!

秋葉原、神田、神保町に囲まれたオフィス街でもあり、スポーツ用品店などが軒を連ねる神田・小川町。

丸ノ内線淡路町駅、千代田線新御茶ノ水駅とも連絡している小川町駅が最寄りで、神田駅からも同じくらい歩いた場所に、なんとあの香川の讃岐うどんの名店が暖簾分けでオープンした。

あれ? この連載は「肉」にまつわるお店を廻るものじゃなかったっけ? と早とちりするなかれ。ここも立派な肉の名店、「香川一福 神田店」である。

香川一福 神田店/店舗外観   撮影:清水真帆呂(東京フォト工芸)

朝6時から神田の街に出汁が薫る。
「全ては一杯のうどんのために」努力を惜しまない姿勢は随所に感じられ、それは瞬く間に東京のうどん好きの胃袋を掴んだ。

「うどんはその土地の湿度や気温によってコシの出方が違うんです」というこだわりから、日によって変化し続けている。とはいえ、もちろん本店のクオリティは保ちながらより「深化」した東京に根ざした讃岐うどんは、平日午後4時を過ぎても客足が途切れない。
まさに本店と同じく讃岐うどんの「名店」となった。

そんな「香川一福」で一番人気メニューなのが肉うどん!!

肉うどん(小・680円)

香川一福 神田店/絶品の肉うどん  撮影:清水真帆呂(東京フォト工芸)

黄金色にかがやく出汁の中にドシッと鎮座するうどんの上には、堂々と肉が被さっている。

この甘辛く炊かれたお肉は、なんと滋賀県までわざわざこの店のために訪れる人がいるという、日本料理の名店「しのはら」が監修した驚くべき一品!

肉は試行錯誤のすえUS産のモモとバラを使用。和牛だとどうしてもクドさが出てしまい、出汁の邪魔をしてしまうそう。あっさりとしていながらコクがあり、通常のお出汁ともケンカしない味付けはまさに神業!

香川一福 神田店/あっさりしていながら、コク深い肉  撮影:清水真帆呂(東京フォト工芸)

そして出汁と肉をつなぐ重要な役割を、大量にかかったかつお節の酸味が見事にこなしている。

オーナーが讃岐の名店を食べ歩き、3年ほど前に一福本店の味に惚れ込んだ。現地に泊まりこみながら何度も何度も足を運んで交渉し、現在神田で腕を振るう勝山店長が長期に渡る修行に入り、ようやく実現したこの暖簾分け。だからこそうどんや出汁のクオリティも完璧なものになったのだろう。

「すべては一杯のうどんのために」

香川一福 神田店へ是非訪れてほしい。

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