ケーズホールディングスが11月5日に発表した2016年3月期の中間連結決算は、4K高画質や大画面テレビ、調理家電、理美容・健康器具などの販売が好調だった影響で、売上高が微増、営業利益と経常利益は増益となった。純利益は、前年6月末に関係会社2社を連結対象から外した影響で65億9400万円(同87.3%)と下回った。

●エアコンは好調もWindows 10対応PCの出遅れが響く

猛暑によるエアコン販売が好調だったものの、売上高は3193億円(前年同期比100.6%)と微増だった。

大幅な増収にならなかった理由は、前年同期に持ち越された消費増税の受注残の影響がなくなった一方、昨年4月にWindows XPのサポートが終了したことに伴う買い替え需要の反動減、今年7月からWindows 10が無償提供されたことでパソコンが買え控えられ前年を下回ったことが影響した。

Windows 10の無償提供がスタートしたものの、対応PCや周辺機器の発売が10月や11月で、中間決算(15年4~9月)に反映しなかった。

●省エネ、健康関連の商品販売で利益改善

連結営業利益は98億900万円(同126.5%)と大幅に伸びた。経常利益は127億8500万円(同108.0%)と堅調に伸びた。経常利益率は4.00%と、前年同期の3.73%から向上した。

ケーズHDの上期の売上総利益率(粗利率)は25.9%と、前年同期の24.8%から1.1ポイント改善した。テレビのほか、節電や省エネ、安心、健康をキーワードにした白物家電の高付加価値商品の販売増が全体の粗利率を押し上げた。

販管費率も22.8%と、前年同期の22.4%から0.4ポイントの微増にとどめたことが、利益を底上げた。

商品別の販売(金額ベース)で見ると、テレビが前年同期比で113.6%、クリーナーが同107.6%、調理家電が同111.1%、理美容・健康器具が同110.2%、エアコンが106.7%などと伸張した。一方で、PC・情報機器は同71.9%と落ち込みが激しかった。(BCNランキング 細田立圭志)