通常、講演のプロと言われる人たちが、自身が話しやすい空気を作るためにやっていることは次です。

1.講演会開始2分以内に目を合わせてくれる人を探す。

2.その中でも特に話をするたびに、コックリコックリ、首を縦に振ってくれる“コックリさん”を見つける。そして講演中はその人をちらり見しながら話を進める。

3.腕を組んでいる人、しかめっ面をして聞いている人は出来るだけ見ないようにする。

先ほどの例のように腕組みをしている人が反感を持って聞いている訳ではありません。また、首を縦に振っている人が必ずしも講演者の話に共感したり、感動している訳ではないこともあります。単なる形式的なポーズだったりします。

しかし、少なくともその態度に講演者は緊張感がほぐれて伸び伸びと話ができるものです。

“人の話を聞く姿勢がなっちゃいない大人”にならないために

では、我が子が“人の話を聞く姿勢がなっちゃいない態度が悪い大人”にならないためには、どう教えていけばよいのでしょうか。

必要なのは、ズバリ!幼児期からの躾です。

かといって子どもに対して「人の話を聞くときは目を見て、頭を縦に振って共感している態度をしなさい!」と言ってもなかなか出来るようにはなりません。

“子は親の後姿を見て育つ”とか“子は親の姿を映す鏡“と言われるように、子どもは親の姿を実によく観察しています。ですから、普段、子どもの話を聞く親の態度そのものを改めるだけで、将来“感じがいい人”“話しかけやすい人”“好かれる人”に育ちます。

子どもの話を聞く時のNGパターン2つ

では、親は我が子の話にどんな聞き方で臨めばいいのでしょうか。

「話しにくい親」の場合

例えば子どもが帰宅後「今日、保育園で君に“バカ!”って言われて、玩具を取られた!」と泣いて訴えてきたとき。

×携帯をいじりながら子どもと目を合わさないで聞く

×黙って話を聞いているだけ

×腕組みしていて聞く

これですと、子どもは「僕の話を信用してくれていない」と感じます。子どもにとってはとても話がしにくい親なのです。そして、次第に子どももこれを真似、親そっくりになります。

「強すぎる親」の場合

子どもは辛い気持ちをママに訴えたいだけです。
「今日、君に“バカ!”って言われた。玩具も取られた。だからママから明日仕返しして欲しい。保育園の先生にも伝えてほしい」と望んでいる訳ではありません。
ただただ辛い気持ちを大好きなママに聞いてもらいたいだけなんです。

ですから、次のように言うのは止めましょう。

×「え、君がそんなこと言ったの!ママが明日、保育園の先生に『君を厳しく叱ってください』と言ってあげる!」

×「ママが今度、玩具取り返してきてあげる!」

×「そんなことでいちいちメソメソするんじゃないの。男の子でしょ!同じように言い返してやればよかったじゃあない。玩具取り返せばよかったじゃない!いい加減に泣くのはやめなさい!」

こんな強いママに変身しないでください。
子どもにしてみれば一言うだけで十倍くらい返ってきます。おまけに慰めてくれるどころか、弱虫な態度を叱られたりします。

こうなると子どもは「もう、ママに話をするのはやめよう」となる訳です。