キャスリーン・ケネディ

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が12月18日(金)の18時30分に日本全国で一斉に公開になる。新たな3部作の幕開けとなる本作の公開を全世界のファンが待ちわびており、連日、ネットでは新たな情報や憶測、予想、ウワサが渦巻いているが、心の中では多くの人がこう思っているはずだ。「知りたい!でも、映画館で観るまではあまり知りたくない」。本作のプロデューサーを務めるキャスリーン・ケネディは、そんなファンの心理を理解しているようだ。

1977年に『スター・ウォーズ』が公開された時、映画ファンは自宅で好きなときに映画を観る習慣すらなかった。その後にビデオ・カセットが発売され、ファンは自宅で好きなだけ繰り返し映画を観ることができるようになったが、作品の感想や新作への期待は友だち同士で話しあうか、ファンが集まるイベントに参加しなければならなかった。1999年に『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』が公開された時には人々はインターネットを活用していたが、新たな3部作がすべて完結しても、Twitterはこの世になく、youtubeもFacebookも一般ユーザーに開放されていなかった。つまり、『…フォースの覚醒』はSNSが全世界的に普及し、感想を投稿し、共に盛り上がることができる最初のスター・ウォーズということになる。

ケネディはこの状況下で映画の情報を公開していくことを「非常に大きなチャレンジだった」という。「インターネットがこれだけ普及していますから、多くの人が推測で何かを書いたりしますし、映画に関わっているスタッフは何百人もいますから、どこかから情報が漏れてしまったり、リークされてしまう可能性はあります。私たちは最初からそのことに対して自覚的でしたし、完全に止めることができないこともわかっていました」

一方でケネディは「私たちは映画の作り手ですが、観客の気持ちもよくわかっています」と笑顔を見せる。つまり“早く知りたいが、映画を観るまでは多くを知りたくない”ファンを裏切らないPR戦略を考えたそうだ。「少しだけ知ってもらうことで、映画に対する興奮は高まると思っていますが、映画館で映画を観た時に『あの件は知らなければ良かった』とならないようなサジ加減を探っていきました。もちろん、公開される国によってPRのやり方は少しずつ変えるようにもしましたね」

ちなみに映画は現在、一部の視覚効果の修正を除いて映像は完成。音のファイナルミックス作業中だという。そんな“ほぼ完成版”を観たケネディは「そうですね……かなりイイ線いってると思います」と満面の笑み。公開までいよいよあと1か月。ファンの期待は“知りたい”と“でも、知りたくない”の間を揺れ動きながら、さらに高まっていきそうだ。

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
12月18日(金) 全国ロードショー