美味しいのはあたり前、その先の安心安全へ

近未来パンの代表選手「グリーンサム」は、サンドイッチとしても提供している。

3種類のグリーンサムのなかから好みのパンを選ぶ。

次にフィリング(ツナマヨ、カボチャ、メープルなど日替わりで常時3~4種類用意)、野菜(トマト、玉ねぎなど)、肉か魚(スモークサーモン、ベーコンなど)をチョイスし、最後にトッピングを選択。オーダーメイドなので、10分ほどで手元に届く。

フルサイズは900円、ハーフサイズ(グリーンサム半分)は550円。フルサイズは2個のパンを半分に切るので、フィリングなど好みの中身を2種類選べる。

今回は味比べのために、パンを2種オーダーさせてもらった。

グリーンサムを使ったサンドイッチ。左がシード、右がオニオンを使用したもの。

1個は、パンはシード、フィリングはカボチャ、玉ねぎ、スモークサーモンをオーダーし、アーモンドをのせてもらった。全体的にしっとりとしていて、噛みごたえもある。

もう1個はオニオン。フィリングはツナマヨ、ベーコン、トマトを頼み、トッピングはケイパー。

フライドオニオンが、ぱりぱりで、食感が香ばしい。ドレッシングはかけていないが、ツナマヨに和えたマヨネーズのおかげなのか、舌触りがなめらか。

このサンドイッチは、見た目以上にボリュームがあり、満足感を得られた。でも、驚いたのは、サンドイッチのボリューム感ではない。

聞けば、フィリングはもちろん、ベーコンもマヨネーズも自家製。

それだけではない。別のパンに使用するドライトマトもフリーズドライもリンゴのフィリングも手作り。店で販売するコンフィチュールも自家製。

長野で茶懐石の店を営む料理人がいる。妻の妊娠を知り、生まれてくる娘のために野菜の無農薬栽培をはじめた。その後、米の無農薬栽培にも着手。いまでは醤油も味噌も手作りしている。何から何まで自分で手をかけることで、安心安全も提供しようとしているのだ。

「美味しいのはあたり前」が、杉窪さんのモットー。美味しいだけでなく、できる限り安心安全なパンを届けたい。そんな思いもあり、パン職人が狭い工房で、パン以外の食材も手作りしているというのである。

杉窪さんは、現代にあった形や製法を取り入れることが『近未来のパン』だといった。

その定義をパン職人にあてはめるならば、できる限り、自分達で手作りすることが、『近未来のパン職人』といえるのかもしれない。