映画『母と暮せば』の完成披露試写会が22日、東京都内で行われ、出演者の吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信、加藤健一、本田望結、山田洋次監督が出席した。
本作は、井上ひさしさんの「長崎を舞台にした作品を『母と暮せば』というタイトルで製作したい」という生前の願いを山田監督が映画化。戦後70年の今年、公開される。
山田監督は「この1年間を懸けて、ここにいらっしゃる俳優さん、僕たちスタッフが心を込めて作った映画です。皆さんにとって納得のいく映画になっていればいいなと今胸がドキドキしています」とあいさつした。
母の伸子を演じた吉永は「監督の熱い思いをなんとか受け止めたいと思い、やってまいりました。ここにご一緒している仲間たちといい時間を過ごすことができて感謝しております」と語った。
息子の浩二を演じた二宮は「僕は(原爆で亡くなり、母の前に現れる)亡霊なんですが、悪い亡霊じゃなくて良い亡霊ですので。良い親子関係が皆さんの心に届くような作品になっていると思います」と作品を紹介した。
吉永が“息子”の二宮について「監督から難しい注文が出るんですが、ヒョッとそれを受け止めて次のテストでは出来てしまう。軽やかですし、リズム感がいい」と語ると、山田監督も深くうなづいた。
さらに「男性なんですが“フェアリー(妖精)”のようにパッとその役を演じてしまう」と語ると会場から歓声が。二宮は「即刻“フェアリー・カズナリ”に改名しようと思います」と照れ笑いを浮かべた。
一方、二宮は吉永について「すごくお優しい方。お話の中で、フェアリー(僕)の情報が毎週更新されていくんですね。普通だと今まで起きたことをなぞらえて話をすることが多いかと思うんですけど、先週はこうだった、今週はこう、とどんどん更新されていて。嵐の番組も毎週見てくださっていたりして。さすがだなというふうに思いました」と、一人称を即“フェアリー”に変えつつ、感謝を述べた。
また、浩二の恋人の町子を演じた黒木が、劇中の二宮と鼻と鼻とをつけるシーンが“鼻ツン”と話題になっていることについて「やっぱりフェアリーの顔が近くにあると緊張してしまう。申し訳ないなって…」と語ると、二宮は「いやいや! まぁ(フェアリーと呼ばれたことに)そうね」と突込みを入れた。黒木は“鼻ツン”について「女性から(のアクション)なので、ぜひ使ってください」と語った。
映画は12月12日(土)全国ロードショー。
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